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「#許すなわいせつ教員」がブームみたい
ネットニュースを見ていて気にはなっていたのですけど,最近は「猥褻教員」の話題がブームです.
たとえば「読売新聞」が,
わいせつ行為で処分される教員が増えている。立場を利用し、言葉巧みに言い寄り、その言動で児童や生徒の心と体に深い傷を負わせる。
という書き出しで記事をシリーズ化しています.
■「指導熱心」な教員、女児7人にわいせつ行為繰り返す...学校の「死角」で5年半(Yahoo!ニュース|読売新聞 2021.1.29)■「バレたらヤバイな」「かわいいで」教員が女子生徒に危険なSNSメッセージ…調査進まぬ市教委に不信感(読売新聞 2021.1.30)
■【独自】教え子に「わいせつ」半数…公立小中高の懲戒教員1030人、口止めの例も(2020.9.25)■教員からわいせつ行為、命絶った女子生徒の母「慕う気持ち利用…許せぬ」(読売新聞 2020.11.23)
■わいせつ行為で生徒自殺、教員免許失効を官報掲載せず…懲戒免職になったのに(読売新聞 2020.11.29)
こういう話がメディアで取り上げられるようになったのは良い傾向です.
今までは,現場の教員が「こんなことではイカン」と声を上げても完全にスルーしていたので.
いやホントマジで超絶スルーですよ.
全然興味無かったんでしょうし,記事のネタとしてのインパクトも無かったんでしょう.
とは言え,メディアの記者さん達がようやく注目するようになったわけですから,褒めてあげましょう.
っていうか,多分,このコロナ禍でネタが無くなったんでしょうけど
あと,ここ数年は,ジャーナリストや記者が引き起こした「わいせつ事件」とか「ハニートラップ」で盛り上がりましたから,「自分たち以外にも,わいせつ事件を頻発させている業界・分野があるはずだ」と探し回ったところもあるでしょう.
なんにせよ,世間の注目を集めることは良いことです.
ただ,教員には私みたいな猥褻教員とは程遠いタイプが圧倒的多数なのですが,この手のニュースが取り上げられると,
「女子生徒にちょっかい出したくて教員になった奴が多い」
などと,コメント欄で煽りだすキチガイが出てくるのが残念ですね.
「男性教員と女子生徒」が注目されがちですが,実際には「女性教員と男子学生」とか,同性の場合もあるので偏見は禁物.
それに,先般のブログ記事にも書いたように,この手のトラブルは,実のところ「教員からアプローチ」だけでなく,「学生の側からのアプローチ」も結構多いことをご承知おきください.
っていうか,私の見聞きする範囲では,圧倒的に後者が多い.
「教え子である生徒・学生と結婚した」っていう教員は少なくないですが,それもたいていは生徒側(主に女子)がアプローチした,というエピソードをよく聞きます.
私の知り合いの高校教師も,教え子の女性と結婚していますが,奥さんが「クソ真面目な旦那をその気にさせるために,いろいろ頑張った」と笑いながら当時のことを話していました.
もちろん,人前でその馴れ初めのエピソードを話せるものとしては,「生徒側から教員へ」というパターンの方が話しやすいから,どうしてもそのパターンの方が出回ることが多いのかもしれませんけど.
まあ,こればっかりは調査データが無いからなんとも言えませんが,気になることではあるので,誰か研究してくれないですかね.
その一方で,この関係性が崩れたものが「わいせつ事件」となるわけですけど,私としては,この話は「いじめ問題」と同じくらい対処が難しいと考えています.
実際,どこまでいったら「わいせつ事件」となるのか,かなり微妙ならところがあるんです.
もちろん,明々白々な「わいせつ」もあるんですけど,その線引が怪しいところもあるってこと.
「コイツ,さっさと捕まればいいのに」
って思うヘンタイ教員はたしかにいまして.
とは言え,明確な「罪」をあげつらえるほど,こちらには手札が無い,っていうケースは多々あります.
今の私の意見としては,
「教育現場をオープンにする」
「プライバシーを持ち込まない」
という対処方法がベターかと思っています.
関連することを過去記事にしたことがあります.
これは「いじめ問題」を見据えた話ですが,「わいせつ問題」についても同じだと思うんです.
つまり,学校や大学などの教育現場で起きていることは,すべてオープンにするという「パノプティコン」の状態を作り出すことで,それを解決しようという発想です.
■パノプティコン(Wikipedia)
たとえば,学校に至るところにカメラを取り付けて,それを24時間ずっと公開します.
そして,生徒間だけでなく,教員と生徒間の通信・コミュニケーションもすべて,オープン状態で行なうことを義務付けるのです.
これに反したら,すなわち法律違反にするのです.
さすがにそれはダメだろって思う人もいるかもしれませんが,いじめ問題やわいせつ問題を改善しようというのなら,それくらいするのが妥当です.
むしろ,そんなこともせずに「生徒や教員の精神性」などに頼ることがおかしい.
世界は,自分の都合に合わせて回ってくれると思ったらダメです.
生徒も教員も人間です.
人間ですから,人間らしいことをします.
そして,「いじめ」も「わいせつ」も人間らしい行いで,しかもそれは根絶不可能である以上,少しでも改善させようと思うのであれば,
「教育現場における,生徒と教員のプライバシーは無視する」
ことを採用するしか手立てがないと思うんです.
もちろん,これはあくまでも「教育現場におけるプライバシー」「生徒と教員のプライバシー」であって,それを外れたところではプライバシーが保たれています.
逆に言えば,教員が生徒に連絡する手段として,学校が指定するコミュニケーション・ツール以外のもの(例えば,LINEとか別アカのメールとか)を使用しているのがバレたら,問答無用で即刻クビになるとか,退学・停学処分になるとか.
とにかく,学校が指定するコミュニケーション・ツール以外を認めないわけ.
でも,そのコミュニケーション・ツールであれば,何を書いてもOKってこと.
それを使って愛の告白をしてもいいし,わいせつなやりとりをしてもいい.
けど当然,それはオープンな状態になっているんですから,他の人も見れるんですけどね.
「そんなことしたら,プライベートな内容も見られちゃうじゃないか」
って思う人もいるでしょう.
いえ,誰かに見られちゃマズい内容をやりとりすることが間違いなのです.
基本,全てオープンにしていいことしか送受信できない状態にします.
当然のことながら,これに違反しようとする生徒や教員も出てくるでしょう.
それは悪意だけでなく,善意でも違反しようというケースもあるはず.
でも,それに情状酌量の余地は与えません.
違反は違反.
そんなことを続けていれば,嫌でも「いじめ」や「わいせつ」は少なくなるでしょう.
実際,今回のコロナ禍で始まったオンライン授業では,それが達成できているではありませんか.
過去記事でも,今後,教育はオンライン授業がメインで良いのではないか,というものを書いたことがあります.
もう,学校教育や大学って,オンラインで充分じゃないですかね.
もちろん,オフライン授業の方が良い場合もあるけど,それは使い分けの問題であって,オンライン授業がダメであることにはなりません.
「パノプティコンの学校」を完全に実現することは困難であっても,例えば,1週間のうち,毎週月曜とかにオフライン授業があって,それ以外は全部オンラインorオンデマンド授業で勉強するっていうのも良いかと思う.
なんにせよ,今回の「わいせつ教員を許さないムーブメント」は,ただ変態教員を糾弾するだけで終わってほしくはありません.
わいせつ教員は絶対にいなくならないのですから,被害を少なくする方法を野心的かつ建設的に検討してもらうきっかけにしたいですね.
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