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「教育研究業績書 書くことがない」って検索をしている人へ

このブログにおける,グーグルサーチコンソールの検索クエリ分析の話題をもう少し.

先日は「大学教員 辞めたい」っていう検索をしている人がいるって話をしました.
今回は「教育研究業績書 書くことがない」っていうやつです.

教育研究業績書に書くことがないって困っている人が,私のブログに到達しているという分析が出てるらしい.

そもそも,最近このブログにおける閲覧数上位に,
大学教員になるための業績書の作成方法
というのがあるんです.

実は他にも,関連記事としてこんなのを書いてます.
大学教員になりたい人に向けた,それなりに妥当性のある内容となっています.


ところで,この「業績書(主に,教育研究業績書と称される)」に書くことが無いぞ! ってことで悩んでる人なんですけど...
それについて,
にも一応書いてはいるんですが,実は「業績の量」については,
「あんまり気にしなくてもいい」
と思うんです.

もちろん,教育研究に関する業績が「全くのゼロ」というのは論外ですが,大学教員の人事って,
「業績ポイントを加点方式にして上位者が機械的に候補になる」
っていう単純なものではないからです.

じゃあどういうことなのかと言えば,
「今回の採用したい人物像と合致しているか?」
が重要視されているケースが多いので,教育研究業績についても「量が豊富」というよりも,「人事と合致している」ことの方が大事です.


例えばですけど,よくあるのが,
「教職課程担当の教員を採用したい.採用条件として小・中・高等学校のいずれかにおいて3年以上の勤務経験を有すること」
っていうパターン.

この場合,博士号を取得していて,さらにたくさんの教育学における研究実績や論文を持っていようとも,学校の先生の経験が無い(浅い)と,採用される可能性は低いです.
逆に,学位が修士で,論文数も1〜2本であっても,学校の専任教員として3年以上勤務していたことがあるっていう人なら,そちらの方が採用されるでしょう.

教育研究業績書に書かなければいけないのは,「その大学・人事担当が採用したいと考えている人物像」といかに合致しているか,についてなのです.


業績書にたくさん書けるように努力したのに,私より業績が少ない奴が採用されてる!
って怒り出す人もいますが,それは採用する側に立ってみれば理解できることです.

現在の大学における教員採用人事の多くは,なるべく「コネだけ採用」にならないように,複数の教員,そして他分野・多領域の視点と介入があります.
例えば,文学の教員を採用する場においても,経済学とかスポーツ科学の教員も関わるってことです.

そんな中であれば,なおのこと「採用予定の人事」とどれだけ合致しているかが重要になってくるというもの.

ただ漫然と「私にはこんなにたくさんの教育歴と研究業績がありますよ!」とアピールするよりも,「私は今回の人事に最適な経歴の持ち主ですよ!」っていうアピールの方が大事なのです.

「教育研究業績書に書くことがない」って悩んでいる方は,そこをもう一度確認して,本当に何も書くことがないのか検討してみてはどうでしょうか.
(で,本当に何も書くことがなければ,素直に諦めるか,がんばって業績を作ってください)

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