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VARというやつの話
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やっぱり「大論争」を招いている日本のゴール
先日の日本対スペイン戦.
堂安選手から放たれたグラウンダーパスを,三苫選手がゴールラインギリギリで折り返して田中選手のゴールにつなげたプレー.
このゴールですが,VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で確認してもかなり際どい,とても印象に残るプレーであったことが話題です.
VAR判定を使うようになったサッカーワールドカップにおいて,VARの威力と効果を示す歴史的かつ格好のプレーになったものと思われます.
そういう意味でも,今回の日本対スペイン戦は,非常に歴史的意義のある試合だったでしょう.
きっと,VAR判定のことを話題にするたび,よく参照されるプレーになるはずです.
この日本の逆転弾は,VAR判定によってゴールが認められたわけですが,それでも「あれはノーゴールだ」と食いつく人が結構多いとのこと.
サッカーのカタール・ワールドカップ(W杯)は1日(日本時間2日)、E組の日本がスペインに2-1で逆転勝ちし、決勝トーナメント(T)進出を決めた。日本の逆転ゴールの直前、ボールがゴールラインを越えていたのではないかと海外で論争に発展していたが、2日(同3日)にFIFA公式が動画付きでインプレーの証拠を発表。論争に終止符が打たれた形だが、それでも納得しない海外ファンがいる模様。時間が経過しても「FIFAよ、これ以上恥をかくのはやめて」「絶対出ているように見えるけど」などと書き込まれている。
このブログを読んでくれている方の多くは,統計データなどを含めて推定すると,大学教員や大学生,院生,研究者が多いようです.
なのでつまり,比較的「頭の良い」人が多いわけですね.
ですから,きっと多くの読者の方々は,
「VARシステムや現場カメラマンの写真まで出ているのに,どうしてこれほど納得できない人がいるのだろうか?」
と不思議に思っている人も多いことでしょう.
理由は結構シンプルだと思います.
すなわち,
「今回のゴール判定に至る理由について(感情とか抜きでも,マジで本当に)理解できない人が相当数存在する」
からです.
ここでサッカーの「ボールがラインを出たと判断する基準」について確認することは省きます.
たぶん,もう既にブログ読者の方はご存知だと思いますので.
今回のような話題が出たら,今後もずっと同じことが繰り返されます.
なぜなら,人間集団には「数学的リテラシー」とか「読解力」が結構劣っている人が相当数いるからです.
どれだけVAR判定のことを丁寧に説明しようとも,どれだけ優しくサッカーのルールを教えてあげようとも,彼らは深く考え込んだのちに「いや,でもやっぱりこれはノーゴールではないだろうか?」などと言い出します.
この「相当数」という数の程度ですが,多くの方々がイメージするより大量にいるようで,それが表に出てこないことから認識のズレが生じています.
それについて話題にした過去記事もあります.
どれだけ丁寧に説明しても,その「説明」を理解できない人がたくさんいるのです.
例えば彼らが日本語を使っていて,それを理解できたとしても,その「日本語による説明」は理解できません.
そういう人が,この世には意外とたくさんいるんですよ,っていう話ですね.
最近だと,こんな書籍が出ています.
ベストセラーにもなっているので既読な方もいるかもしれませんが,たしかに面白いのでオススメです.
橘玲 著『バカと無知 人間、この不都合な生きもの』
他にも,思い返せばこんなベストセラーもありました.
これこそ,「ボールがラインを出ているか否か」を,理屈で解せない人たちが意外にたくさんいることを示しています.
つまり,今回の日本のゴールを「ノーゴールだ」と言い張る人は,そっとしておいた方が良いということです.
関わるだけ損ですね.
そう言えば,一頃にPIAAC:国際成人力調査っていうのがありましたよね.
日本が「数的思考力」「読解力」ともダントツのトップだったやつです.
今回のVAR判定の結果について,いまだに「ノーゴールだ」と言ってる人と,そのPIAACの結果との相関性を調べてみるのも面白いかもしれません.
χ二乗検定とかやると,有意性が出るかもよ.
特に,今回みたいなゴール判定の解釈を正しく認識する上では,おそらく「数的思考力」が大事になってくると思います.
なぜ今回のプレーでボールがラインを出ていないと解釈できるのか,それを自分のなかで納得するためには数的思考力が必要だからです.
なお,以下がそのPIAACの結果です.
(日本とスペインの順位が,なんだか意味深長です)
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