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スキーとバスと大学と

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もう話題としては古めになってきていますが,スキーバス転落事故というのがありました. スキー場までのバスが価格競争に曝され,その結果不十分な体制で運行していたために発生した事故だということでニュースでも取り上げられている次第です. 「 格安スキーバス = 大学生 」 というのがありますが,まさにそれが如実に示された事故でもあります. このニュースが出た時,思わず「うちの学生が乗ってるんじゃ・・・」と考えたほどです. 思い出せば私が学生の頃も,大学のスキー実習が「現地集合」だったので,その経路を友人たちと「いかに安く済ませるか」と相談しておりました. 何人かでまとまって依頼すれば,現地宿泊所まで楽に安く行けるジャンボタクシー業者があるという情報を手に入れ,皆で頑張って頭数を募って(そして増え過ぎて数を減らすのに苦心して)いたのも懐かしい想い出です. 今回の事故は,バスの価格競争が遠因であるということですが,その価格競争の元になっていることとして「スキー客の減少」もあります. かなり以前の記事になりますが,それを取り上げたことがあります. ■ スポーツ復活計画 さしあたってスキー その記事でも示している図をもう一度載せておきます. スキー(スノーボード)人口は着実に減少しており,10年前の半分にまで落ち込んでいます.この流れは現在も変わらず続いています. 上記の記事では, 「こうしたスキー(スノーボード)人口の減少を止めるためには,若者がスキー(スノーボード)に触れる機会を増やし,プライベートでも滑りに来ようと思わせる仕掛けがなければいけない」 という趣旨を述べました. 今回,これと似たような考え方でスキー客増加を考えているWEB記事を見つけました. 以下のサイトです. ■ 今,スキー場がスゴイことになっていた 曰く,「19歳はリフト券無料」という作戦をたてたということです. この作戦には私も賛同するところがありますが,あまり無理しないように・・・,というところでもあります. やはり,学校や大学における「スキー実習」などの機会に,若者に対してウインタースポーツの魅力を伝えることが大事だと思うのです. 長い目で見れば,こうしたところへの投資は後々響いてくれるはずです. ところで,過酷な労働環境における「バス...

井戸端スポーツ会議 part 27「オープンスキル・スポーツ界での八百長は普通」

物凄い降雪にみまわれた今日,こんなスポーツニュースが入っています. テニス界で八百長が「横行」か,グランドスラム覇者も関与 過去10年間、テニスの四大大会(グランドスラム)優勝者を含む16人のトップ50選手が、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)を含む大会で八百長に関わってきたという。17日、英メディアなどが報じた。英国放送協会(BBC)と米ニュースサイト「バズフィード(Buzzfeed)」は、世界トップレベルの選手たちの間で、不正が横行している証拠をつかんだと主張している。 何を今さら,という感じではあります. たしかに表立って言うことではないのでしょうけど,これはボクシングや大相撲の八百長と同様,知る人ぞ知ることです. ボクシングや大相撲とテニス,これらに共通するのは「オープンスキルの個人スポーツ競技」であることです. オープンスキルってなんぞ? という人もいましょうから簡単に説明しておくと,スポーツは技能(スキル)の発揮のされ方に応じて「オープンスキル・スポーツ」と「クローズドスキル・スポーツ」との2つに分けられます. オープンスキルというのは,技能を発揮する対象に不確定要素が多いものを指します.格闘技や球技など対戦相手が存在する種目の多くがこのスキルを必要とするスポーツです. 対してクローズドスキルというのは,技能を発揮する対象に不確定要素が少ないものを指します.陸上競技や器械体操などがこれに該当します. オープンスキル,クローズドスキルというのは「スキル」に対する呼称ですから,例えばテニスについてもプレーの局面に応じて,相手の動きに合わせる「ラリー」はオープンスキルだけど,狙った所に打つことに専念するサーブはクローズドスキル,ということになります. ただ,競技全体を通してみれば,テニスはオープンスキル型のスポーツだと見做されるのです. オープンスキル・スポーツ,その中でも個人競技では八百長が簡単です. 1対1で示し合わせておけば,周りにバレることもなく進行できるからです. それゆえ,ボクシングや大相撲では八百長するのが当たり前のようなところがあります. さらに今回のテニスですが,このスポーツ種目はボクシングや大相撲と同様,厳格なランキング制をもっており,それが賞金や...

急性胃腸炎の週末

今日はだいぶ回復して大学にも行けて,明日の授業準備をすることができたのですが,先の土日は完全に急性胃腸炎にやられて寝込んだ2日間でした. 土曜の朝に異変に気づき,みるみる症状が悪化.ホントなら8時頃に仕事で家を出なければいけなかったのですが,これはさすがにキャンセル. 少し寝込んでおけばいいだろうと思いきや,まったくもって無意味. どうやら私は急性胃腸炎になると酷く悪化する質のようで,下痢嘔吐はもちろんのこと,あまりに意識が朦朧としてきたので危機を感じて昼前に病院へ行くことにしました. 病院はアパートの玄関を出て5秒で行ける便利のいい立地.しかも救急病院. 道路を挟んで目の前に救急病院があるこの立地を幸せに思います. 普段は夜中も救急車が往来する騒がしいところですが,こんな時には頼もしい. とは言え,今回は緊急ではなく普通の内科診察を受けるだけなのですが. この急性胃腸炎の診察と処置にかかった費用は5000円. その金額に見合っただけの価値はあったと思いましたので,ここにその経緯を認めておきたいと思います. 5000円程度で済むのなら,急性胃腸炎を起こしたら迷わず,即,病院に向かうのが吉だと思い知らされました. 道路を渡り病院についたあたりから,短いとは言え,歩いてしまったせいか症状がさらに悪化. 目がかすみ,息も荒れる. 受け付けてから診察室前での待機中までにも何度もトイレを往来. 廊下で私の名前を呼ぶ声がする. なんだか果てしなく時間が過ぎたように感じてやっと診察. 体温も38.5度と高く,血圧も最高80−最低50という有様.腕を締められる血圧測定が苦痛.血圧が低くなっているので痺れるんです. ここにきて医師も,健康的に見える30代男性の通常の状態ではないことを察知し,血液検査をして直ぐに抗生物質と嘔吐感を抑える薬,そしてビタミン剤とリンゲル液を点滴することに. この点滴の威力が凄い. 実は私,初めて点滴というのを受けたのですが,何が何だか分からない中で看護師に言われるがまま腕にカテーテルを挿入.ベッドを用意されてそこに横になってしばらく,どれくらい経ったでしょうか.10分くらいですかね. ある瞬間から,喉に潤いが戻ってくる,肩まわりが熱を帯びてくる,視界が晴れてくる,意識がはっきりしてくる,といった具合に,...

センター試験とか入試におけるアレコレ2016

センター試験の追い込みにかかっている人(主に高校生)も多いのではないでしょうか. 一方,こちらはセンター試験をやる方です.試験業務を担当する教職員用の「説明会」が開かれているところも多のではないでしょうか. ネット上ではセンター試験を受ける側(受験者)や受けさせる側(教師・塾講師)のブログやつぶやきを目にすることがあるかと思いますが,やる側のものは珍しいかと思います. 昨年はセンター試験後にそんな記事を書いたのですが,今年は試験前に書いてみようと考えました. もし受験生がこの記事を読んだら,もしかすると当日の参考になるかもしれません,という内容をご紹介します. 昨年の記事とそんなに大きな違いはないですけど,なんならその2015年版の記事も御覧ください. ■ センター試験とか入試におけるアレコレ 試験を受けるにあたって,きっと高校の先生や塾講師から,あーした方がいい,こーした方がいい,といったアドバイスを受けているかと思いますが・・,我々のような試験をやる側からのアドバイスにも耳を傾けてもらえると何かの助けになるでしょう. (1)試験監督には「センター試験」を知らない人も多い 試験監督もセンター試験を受けてきた人達なのだ,ということでは必ずしもないということです. 私のように,教員になるまで「センター試験ってなんぞ?」という人も多いものです.「多い」というのは曖昧な表現ですが,少なくないことはたしかです. 毎年,「私,大丈夫ですかね.センター試験なんて受けたこともないのに・・」と不安がる新任の先生が必ずいます. どういう流れで開催されるものか全く知らない試験監督もいますので,そういうつもりで受験してもらうと変なトラブルに巻き込まれにくくなります. コンビニやスーパーのレジ係も,初心者はスムーズにやれないものです.日本のレジ業務を知らない外国人アルバイトなら尚の事.それと同じように見てもらえると良いかと思います. (2)試験監督者の言葉は99%事前に決まっている センター試験用の「監督要領」という監督者がやることを書いた分厚い(約1cm)手引があります.それが全ての試験監督者に配られ,そこに書いている通りの言動をするようになっています. なので,特に試験会場の教卓あたりに立って指示を出す監督主任と呼ばれる人の言葉は,一言一句全て...

真冬のオリオン

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前回に続き,正月の星空撮影です. 今回,ポータブル赤道儀「ポラリエ」というのを購入しまして,それで本格星空撮影に挑むことにしたのです. 赤道儀というのは,地球の自転に合わせてカメラを回転させる装置です.これで撮影すると,シャッター時間が長い星空撮影において,星がブレるのを抑えることができます. ただ,そのセッティングが少しコツがいりまして.その練習のために,星が見えていたら撮影している今日このごろ. セッティングにコツはいるものの,機器の操作はかなり簡単. 使用するのはこれで元旦に続き2回目ですが,かなり慣れてきました. さっき撮ってきたものですので,いくつか御覧ください. 撮影地は自宅・庭です. 以下は真北に向けた一枚です. 中央右に写っているのが山に少し隠れた北斗七星,中央が北極星,その左にカシオペア座が見えます. Nikon 1 V3というカメラを使ってるのですが,一眼レフと違ってややノイズが目立ちます. 次は南の夜空です. 中央右にオリオン座が見えます.その左を縦に流れる天の川を撮ったつもりですが,綺麗に映りませんでした.カメラの設定をもう少し工夫しなければいけないようです. これまでは広角レンズです. しかし,赤道儀の真骨頂は高倍率レンズにして撮った時です. それが以下. 冬の夜空で狙いやすいオリオン座を被写体にしてみました. 中央の三ツ星と,その下にある三ツ星.それを取り囲むように4つの星.オリオン座です. さすが赤道儀,高倍率の長いシャッター時間(1分)でもブレません.嬉しくなります. 気を良くしてさらにズーム. オリオン座の三ツ星の部分をアップにして撮りました. ここまでズームすると(1 Nikkorで100mm),三ツ星に垂れ下がるようにつらなるオリオン大星雲が,本当に星雲であることが分かります. 機会があれば,さらにズームで撮影してみたいところです. とは言え・・. カメラで撮影するのもいいですが,やはり肉眼での星空が一番気持ちいいですね. 子供の頃はこの空が当たり前だったので,なんとも思っていなかったのですが. 今ではこの星空がどれほど貴重なものなのか,改めて感じている次第です. 赤道儀での星空撮影に興味がある方はこちら↓

2016年 明けましておめでとうございます

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明けましておめでとうございます. 今年もよろしくお願いします. 本年も良い年であることをお祈りしましょう. 個人的には毎年良い年を迎えられていると思っているのですが,「良い年」か「悪い年」かどうかは主観性の強いものですので,なるべく「今年も良い年だなぁ」と思うようにしています.そう思えば良い年にはなるものです. 早速ですが,新年最初の星空を(今さっき)撮りましたので貼っておきます. 初日の出ではなく,「初夜空」というのも面白いのではないかと考えました. 我が家の庭から撮ったものです.超田舎なのでよく撮れます. (よく見えないという人は写真をクリックして大きくしてください) ところで,昨年末は一部の思想信条を持つ方にとっては「最後の最後で悪い年になった」と思わされる出来事(外交政策)がありました. それに対し「抗議デモをやる」ってことを聞きつけたので,せっかくだから実際に覗いてみようと思い立ち,そのデモ現場である首相官邸前に行ってみたのです. すると,恐ろしく殺気立った演説者とその半径10m,それに反して和やかなトークを繰り広げる取り巻きの人々(推定200人くらい)という集団を見つけて接近.するも,やっぱり異様な雰囲気を前にして逃げ出した私でした. なんで年の瀬にデモ現場なんかへ行ったかというと,その一週間前に高校の同級生と忘年会をやった折,そのうちの一人と, 「政治的なデモに行く奴の気が知れない.あんなのはキチ◯イの所業だ」 という私に対し, 「デモという手段をとる人は,彼らなりにどうしても伝えたい事があってやってるんだ.デモというやり方は理解できる」 といった感じの反論が返ってきて,ちょびっとだけ口論になったことがきっかけです. 昨年の夏,シー◯ズっていう学生主催のデモ集団が取り上げられましたよね.そういう話題が出た時のことです. これまで私は「デモ」っていうのに縁も興味もなかったですし,むしろ毛嫌いしていたところがあったので,せっかく首都圏に住んでいるのだから,デモを見つけたら一度じっくり見てみようと思っていたところだったのです. なので今回のデモ開催情報は渡りに船で,思い立ったが吉日ということで首相官邸前に向かったわけです. 結果は前述したとおりです. 異様な雰囲気だったので記念に写メでもとってみようか...

学生の成長をみる

大晦日ですね. 今年最後の記事ですが,ゆるい記事をひとつ書いていこうと思います. ゆるい軽い短い記事を増やすつもりだったのに,結局記事数は増やせませんでした. 来年への課題です. さて.今年の帰省は新幹線でした. 本当なら飛行機での移動が楽なのですけど,今年の帰省は年末の予定が読めなかったので12月まで引っぱっていたこともありチケットをとれず,昨年に味をしめた新幹線「グリーン車」も予約が間に合わず,最初から最後まで自由席ということに. 安いには安いのですけど,案の定,新幹線は立ち乗りということになってしまいまして. ところがそこは長距離移動については百戦錬磨の私です. うまいこと位置取りをして,キャリーケースに座って読書しての東京・岡山.それほど疲労せずの到着です. そこからは四国方面に特急列車で向かうのですが,愛媛で仕事をしている弟の自動車と合流するため松山行の特急「しおかぜ」に乗ります. そこで偶然にも前任校の卒業生と一緒になりました. メールに「先生,今,しおかぜ乗ってません?」って.で,慌てて辺りを見回したらその卒業生がいたのです. 聞けば「私も帰省です」とのこと.彼女は実家が松山なので,同じ特急しおかぜに乗っていたのですね. 感慨深いものです. 彼女は私が大学教員を始めて最初の学生です. 18歳の学生ってこんなものかなぁ,って思いながら暗中模索していた頃を思い出します. 当時のブログ記事を読み返してみました. ■ 但馬國:ローアングルで写真を撮る日々 に出てくる,ローアングルでの写真を依頼してきたのがその卒業生です.当時1年生.懐かしいですね. もう6年になるのかぁ. この人には学内のいろいろなイベントの学生スタッフをお願いすることも多かったので,よく知る間です. いやいやながらも引き受けてくれる頼れる人でした. いやぁ~,いい女になったなぁ,って.ホントそう思います. 決して厭らしい意味ではありませんよ. たしかにエロい雰囲気は当時のまま保っていたものの,大人になったし,話し方もすっかり社会人です.こうやって成長していくんだなぁって微笑ましくなります. いい男になった奴もいます. 今年,私の研究室で卒業論文を書いている学生です. 3年生までは目立たなかったし,成績も悪いし単位もギリギリ...

そう言えば,自転車取り締まり強化の影響はどうなった?

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今年の6月1日から自転車運転の取り締まりが強化されていました. その時の動きはコチラを参照→ 警察庁:自転車運転者講習制度 (PDF) なのでその影響について記事にしたこともあります. ■ 自転車の取り締まり強化後,一週間 そこでの話を要約すれば, 「道路整備をせずにルールだけ強化しても無意味だし,むしろ,自動車・バイク側の意識が変わっていないのに自転車を車道に出すよう指示したら,逆に重大な死亡事故が増えるのではないか?」 ということを書いておりました. 先日12月21日に,平成27年11月末時点での交通事故統計が出たこともありますので,ここらへんで一度自転車の取り締まり強化の影響を見てみたいと思います. その統計資料があるページはこちら→ 警察庁:交通事故統計(平成27年11月末) この11月末時点での統計を見てみますと,やっぱり6月の記事で気にしていた結果となっていましたので図表を見てもらいながら説明していきます. まずは全体像から. 以下は今年の11月末時点での各月の交通事故統計です. 自転車取り締まりを強化した6月以降を青字にしています. これは交通事故全体の統計ですので,ここから自転車事故のことを推測することは難しいことを差し引いて見ることになるのですけど. 上図を見て真っ先に目に留まるのは「6月の死者数の大幅低下」であり,続く「8月の死者数の大幅増加」ですね.なんだか6月に始まった取り締まり強化の影響のようにも思えます. ですが,実は死者数が前年同期比で±30くらいするのは通常の揺れ幅のようで,例えば昨年の交通事故統計から作った以下の図を見ても分かるように(青字のところが26年度データと,その前年同期比), これは特別な増減ではないことがうかがえます. 逆に,今年は交通事故における死者数は全体的には前年と同じように推移している年と言えるでしょう. さて,では今年の死亡事故の内訳ですが,以下のようになっています. 「状態別」というのは,死亡した人が「◯◯している状態の時の」という意味です. このデータはここ数年ずっと変化ありません.死者数のほとんどが自動車乗車中か歩行中かなのです. 今回気にしているのは「自転車に乗っている時」なのですから,そこに焦点を当てたデータがこちら. 自転車乗用中...

俗物が俗物から遠ざかるには

前回の記事 ■ 俗物が俗物らしくしちゃダメ に対し,反論したい人もいるでしょう. 「お前,何様のつもりだ.そう言うお前だって,福田恆存を引いて俗物を語ってるんだから,立派な俗物じゃないか」 と,そんな声も聞こえてきそうです. そうです.そうなんです. が,その記事でも書いたし福田恆存も「俗物論(国家とは何か)」で言っているのですが,「 人は皆,俗物 」なんですよ. あとは, どれだけ自分が俗物であることに素直か ,そこが問われるのです. これはちょうど,「男は皆浮気するもんだ」という主張に対し,「お前,何様のつもりだ.そう言うお前だって男だろ」と反論したい人が現れるようなものなのですが,そんな反論に意味がないのと一緒です. 男は皆(女もかもしれないけど),何かしら浮気心があるものです.そこで問題となるのは,どんな浮気をしてしまうのか,どこまで浮気してしまうのか,といったことに醜さや劣悪さがあるということでして. 前回の記事で言いたかったことに戻れば,俗物にも「素直な俗物」と「醜い俗物」があって,昨今の様子を眺めてみれば,保守派,ネトウヨとされる人々に散見されるのは「醜い俗物」だということなのです. 奥さんや彼女がいるのに,他の色っぽい女性や艶のある素振りをする女性を前に,クラクラっときたり遊び心が芽生えることがあります.「あぁ,俺って浮気もんだなぁ」と感じながらも,しかし(私のように)実際には何もしない男もいるでしょう.これは素直な浮気者です. 自分に浮気心があることを認めつつ,それをコントロールしているわけです. その一方で,そんな女性を前にしたら我慢できずに途中下車,だけならまだしも人生の終着駅まで向かう浮気者もいます.これが醜い浮気者です. しかもこういう浮気者はえてして「そもそも男は浮気するもんだ.その武勇伝が男の勲章なんだよ」なんて言い出すこともあります.そういう居直った態度の恥知らずな男が,昨今の保守派,ネトウヨだと言ってよいでしょう. 俗物であることを恥じず,俗物であることに居直るというのはこのことを指します. これはちょうど,『大衆の反逆』でオルテガが述べている, 愚か者は,自分を疑ってみない.自分が極めて分別があるように思う.ばかが自分の愚かさのなかであぐらをかくあの羨むべき平静さは,ここから生まれる...

俗物が俗物らしくしちゃダメ

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最近出た本に, 適菜収 著『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』 というのあるんですけど,その第一章が「なぜ保守派はバカが多いのか」なんです. 思わず声を出して笑いました. 私も最近そんな記事を書いていたからです. ■ なぜ右翼・保守的な言動をする人にバカが多いのか なんというシンクロ. さすがに適菜氏は丁寧に考察されていて,なぜ右翼・保守的な言動をする人がバカなのか詳細に論じられています. で,なぜ保守にバカが多いのかというところですが,それは逆なんです. 適菜氏も論じているところですが, 保守にバカが多いのではなく,バカだから保守になるのです. 私はこれについて,「 バカだから保守を“選ぶ” 」という表現を使わせてもらいたいと思います. “選ぶ”とはどういうことか,ってのを書いた記事が, ■ コピペ・レポートの行き着く先は なので,そっちも暇だったら読み返してみてください. もちろんちゃんとした「保守」の思想を抱いている人もいるのですが,街角でよく目につく保守,「この人は保守だ」と評価される人,そうして保守派から持ち上げられる人の大多数には「残念な人」が多いというのが現状です. その大ボスが現在の日本国首相です. さて,この「バカだから保守を選ぶ」という点について,非常に興味深い考察をされている本を見つけました. 福田恆存 著『国家とは何か』 の冒頭に「俗物論」というのがあります. 「あ〜,これこれ.これが言いたかったんだよ」って感じでめっぽう面白く,何度も読み返している今日このごろです. これを読んでいて思うのは,現在の日本の保守派っていうのは,つまりは「俗物」なんだな,ということです.それも酷く劣悪な俗物です(福田氏によれば,ほとんどの人は俗物であり,あとはどれだけ俗物であることに「素直」なのかが問われるのだという). なので,「現在の日本の保守派にはバカが多い」というのは下品な言い方になりますので,もっとやさしく,「 現在の日本の保守派には俗物が多い 」と表現したほうがいいのかもしれません. 結論から言えば,福田氏が言う俗物とは 「世間に対する自己の関係に不安を感じ,その不安を解消するために,劣弱な自己を拡大修飾して現実の自己以上の見せかけをつくろうとする」 人のことだそうです. ...