2014年4月14日月曜日

危ない大学に奉職してしまったとき「イベント企画対策」

危ない大学に奉職すると,こんな仕事が舞い込みますよ.っていうのを以前紹介しました.

前回はスパイ対策法をご紹介したところです.
危ない大学に奉職してしまったとき「スパイ対策法」

そして今回は,イベント企画対策をご紹介します.

危ない大学では,学生が積極的/主体的に何かのイベントをやっているという状況をつくりたがります.それをホームページやパンフレットに掲載したりなんかして,広報に役立てようとします.
ただ,教員も暇じゃないはずですから,出来る限り自分の手は煩わしたくない.そんなところかと思います.
それでも,危ない大学に勤めていらっしゃる方々には「学内でなんか広報のネタにもなる良いイベントを企画してやれ」っていう指示が上層部から出ているのでしょうから,何かやらなきゃいけないと頭を抱えているんじゃないでしょうか.

つまりこういう指令です.
「学生が積極的/主体的に何かやっているというイベントを企画せよ.すぐに」

ある日突然そんなことを言われても,なかなか出来ないわけですけど.
特に,こうしたイベント企画に慣れていない先生にとっては,地獄への入口に立った気分になるかと思います.
こういう “突貫企画” ですが,成功せずとも “こなす” だけであれば鉄板ネタというものがありまして.
もともと危ない大学の教職員であれば,それを切り抜ける(誤魔化す)ノウハウがあったりしますけど,まだ不慣れな先生方のためにご参考になればと思い,以下に示します.

(1)音・美・体に頼る
(2)「子ども」と「高齢者」「障害者」を対象とする

これを組み合わせて,あとは各状況に応じたアレンジということになります.
それでたいてい切り抜けられます.

まずは(1)ですが,とにかく学内で音楽,美術,スポーツのクラブやサークルに入っている学生を把握しておくことです.ここはひと踏ん張りしましょう.
そうした彼ら/彼女らと仲良くしておけば,貴方はきっと助けられる日が来ます.
特に体育会系の学生を毛嫌いする先生方も多いのですが,残念ながら危ない大学で戦力になるのは,真面目で大人しい学生ではなく,こうしたバイタリティのある学生なんです.

誤解しないでください.これは「今」の状況で戦力になるという意味でして,それ以外の学生の表在能力や潜在能力が低いということを意味しません.
あくまでも「学内イベント」において貴方を助けてくれる学生という意味です.

もっと言うなら,運動部やサークルといった団体全体と仲良くするとよいでしょう.クラブの顧問や監督・コーチをやっている教員や職員,あと外部の人とか,そういう人たちとも関係を作っておくと,チームまるごと掌握できるので便利です.顧問の先生なんかに言えば,「わかりました.じゃあ,真面目な子を何人か行かせますから.何人いればいいですか?」っていうことで人材確保が容易になります.
競技種目を気にしなくても,行けるところに行くッて感じで良いかと思います.

なお,音楽系や美術系のクラブ,サークルも同様です.
ただ,危ない大学でこれらのクラブ,サークルにいる学生は,引っ込み思案な学生が多いのでキャラクターに応じた判断が必要になります.
それでも,特に音楽系で活発な学生を確保できると強力な戦力になります.持ち運びが容易な楽器を操れる学生であれば,フットワークが軽くて助かります.
クラブやサークルだけでなく,趣味でやっている人,昔やっていた人などなど,そうした個人情報も引き出しておくと,なお良いです.

というわけで,人材確保はできました.
あとは,彼らに何をやらせるか?ということになります.
当然,音美体の学生を集めているのですから,彼らの特技であることをやらせるわけです.
一番一般的なのが,「◯◯教室」です.
スポーツ教室,音楽教室,美術教室,そういったことをやります.
特に,その対象を「子ども」「高齢者」「障害者」にすると,大学広報としても魅力的ですし,なによりも参加者募集が容易です.

実際のところ,先に参加者を確保するところから始めます.その後に何をするかを決める流れが安全です.慣れていない先生は覚えておいてください.

その参加者ですが,子供であれば近くの小学校や保育園,幼稚園,養護施設などにあたりましょう.そういうところとコネクションを持っている先生が学内に必ずいます.そんな先生と仲良くない場合は,実際に自分で足を運ぶことになります.「学生のインターン,仕事体験のような企画を考えているのですが,どうですか?」って聞きに行きます.たいてい断られますが,ここは営業です.頑張りましょう.電話で話してもダメなので,直接出向くと良いです.

高齢者であれば,老人ホームや役所,地域自治体などが有力です.実は老人ホームや役所では,大学とコラボしたいと考えている部署は多いものです.
とりあえず高齢者対策をしろと国や県から言われているものの,特にアイデアが見つからずに困っている,という地域は多くてですね.これに大学側から「学生の経験づくりのためにも」なんて話をふると喰いつくところがあります.
スポーツ関係で言えば,最近は健康体操を企画するのがブームです.各地域独自の高齢者用の体操を作成するっていうものです.ダンスが得意な学生に企画させたら,案外ヒットして大化けする可能性もあるので,けしかけてみてはどうですか?

障害者ですが,これは誰かのコネクションを利用することが強く推奨されます.どこにでも行けばいい,という感じだと危険です.
ただ,こうした障害者関係の施設やグループの多くが「音美体」のイベントを好意的に要望していることは事実でして.特に知的障害を扱う施設やグループなどでは,大学側から何か提案すればノッてくれることは多いものです.機会をみつけたら,例によって「学生の経験づくりのためにも」と話をふってみるといいでしょう.
ご自身で一度施設などに出向いてみるのもいいでしょう.気をつけなければいけない点,意外となんの問題もなく出来る点など,ご自身でわかった上で進めたほうが良いですから.

そんなようにして「参加者」が確保できましたら,そうした参加者に合わせた企画を考えます.
気をつけなければいけないのは,参加者の人数とコンディション(状態),学生の能力と訓練度(練習や準備がどれくらいできるか)といったところです.
可能な限りコンパクトな企画にします.欲張って大人数や複雑な企画にすると,先生方は出来るかもしれませんが学生が混乱してグダグダになるというパターンに陥ります.
学生は先生方と同じようなモチベーションではありません.場合によっては「やらされている」感が満載で参加している学生もいます.
そういう学生でもこなせる企画にすることが求められるんです.
一番手っ取り早いのは,前述したように「◯◯教室」というものです.一番ごまかしが効くからです.
スポーツや美術であれば,参加者と一緒に遊びながら時間を過ごす,音楽であれば,最悪,その学生の演奏を鑑賞する,そんなことでお茶を濁せます.
濁し方には先生方の頑張りが必要ですが,それはブログで伝えられる質と量ではありません.
あとは経験を積んで健闘を祈る,というところです.

というかですね,これまでドライに「子供,高齢者,障害者」への「音美体」の話をしてきましたが,ようは「求められているのに,まだ日本で出来ていない分野」ということも言えるわけです.
メジャーな大学はやりたがらない.でも,現場では求められている.そんな分野なのです.

それに,ちゃんとやれば学生の力を高めることに繋がることは間違いないですし.非常に有益な企画であることは確かなんです.

コツコツと学生たちと取り組んでいるうちに,実は学術的価値の高い活動になっていく,そんな可能性もあることを最後に申し添えておきたいと思います.


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