2016年5月21日土曜日

沖縄基地問題を諦める

高校の時の修学旅行先が沖縄でした.
自然体験やリゾート気分を味わうのも楽しかったですが,やっぱり修学旅行ですので沖縄基地問題は外せません.
この問題について現地でいろいろと見聞きさせてもらったのも修学旅行の思い出です.

そのようなわけで,当時から「沖縄基地問題」についての関心はあったのですが,やっぱり専門的に勉強しているわけではないのでブログで取り上げることは避けておりました.
しかし,先日沖縄で起こったこのニュース,
元米兵「刺して殺害」供述 性的暴行認める 沖縄・女性遺棄容疑(朝日新聞)
に対する様々な方面からの意見・コメントが,どうも私にとって気に入らないレベルまで達したので本ブログでも取り上げたいと思います.

なんとも痛ましい事件であり,多くの人々が主張しているように,これにより沖縄の基地を減らす動きが活発になることは当然のことです.
此度の事件があらためて示したのは,他国のそれも宗主国の軍隊が駐屯する地域はこうした犠牲がつきものだということです.

今回の事件がきっかけとなって沖縄の基地負担軽減につながればいいのですが,残念ながらそういうわけにはいきません.
なぜって,こういう凶悪事件の発生率が高まるであろう米軍・海兵隊の駐留場所を提供しようなんて地域,そうそうあるもんじゃないからです.

米軍基地を置くことによって,沖縄は沖縄でなくなっています.
基地によって成り立つ経済,米軍人を相手にした商売.そういう環境に曝された地域は,やがて米軍基地と米軍人のための文化が発生します.
なんともやるせない.

ところで,いつからか  ”沖縄らしさ” を前面に出すキャンペーンが目立つようになって久しいですが,これは沖縄らしさを喪失しつつあることの反動ではないかと察したくなるものです.20年前の修学旅行中にも感じたのですが,痛々しいほどの「我々は沖縄人だ」という主張は,徐々に消えていくそれを失いたくない人々の叫びにも思えます.
そして,そんな沖縄県民を見ると私は,なんとも居たまれない気持ちになると同時に,それと類似した影が本土にも近づいていることを悲しく思うわけです.

こうした環境下にある沖縄に対し,日本政府はさまざまな補助金や優遇措置によって不満をそらしてきました.
ところが,こういう強姦殺人や暴力事件はあとを絶ちませんから,「基地があること自体が問題だ」という訴えが出るのは当然のこと.補助金や優遇措置と釣り合ってないだろうと,そういうことです.
しかし,結局日本政府は米軍基地を沖縄から減らしませんでした.これがそもそもの間違いでもあります.

そうこうするうちに,自称右翼・保守派のバカがこう言い出します.
「補助金漬けの沖縄」
「基地があるから成り立っている経済」
「たかり根性がある」
こういうネット動画やコメント書き込みで見ると,いつも「死ねばいいのに」と思うのです.

こいつら何様のつもりでしょう.恥を知るべきです.
「この地は日本のみならず極東安全保障の要なのだ」とのたまうくせに,どの面下げて「補助金漬け」だの「たかり」だの言うのか.
挙句,ドヤ顔で「沖縄は米軍基地がないと破綻する」ですって.
人間じゃありません.

これと同じ匂いを,グローバル化を推進する連中や,移民政策を推進する連中からも嗅ぎ取れるのですが,それはまた後述します.

この地が地理的に基地が集中してしまうことは認めます.敗戦国のツケを一身に払わされた歴史もある.であれば,政府や本土としてはもっと補助金を当てたり優遇措置をするべきです.
沖縄は極東安全保障の要なのでしょう? だったらそれなりの待遇で応えるのが筋ってものです.
相手から「そんなに厚遇されては困ります」と言われるくらいにするのが,日本人的な感覚ではないでしょうか.

いつものことですが,この点,左翼のほうがまだマシです.
しかし,左翼活動がダメなのは,ここから一気に飛躍して「基地をなくせ」「軍隊をなくせ」「戦争をなくせ」って言い出すことです.ウヨクより人間味があるだけ救いがありますが,ここがサヨクの残念なところでもあります.

繰り返しますが,この地が地理的に基地が集中するのは仕方ありません.地図で見ても理想的な基地候補地です.対米政治的に基地を沖縄で受け入れなければならない部分もありましょう.
であれば,極力沖縄県民の幸福を追求した政策をするべきでした.今からでもするべきです.

「基地が住宅地のど真ん中にあるから危険だと言うが,基地ができた後に周辺へ移り住んできた人が多いんだ」などと倒錯した意見をシタリ顔で言う人もいます.
戦後復興間もない状態なら,そういうことにもなるでしょう.そんなの沖縄に限った話ではない.
貧乏してたら,事故の危険性よりも所得獲得を優先するのが人間です.当たり前の話ではないですか.
そんなこと,修学旅行中の17歳の高校生でも分かる話です.

現地の裁量に任せていたら,人間関係や感情があるのでどうしても成り行き上そうなります.
だから,理想的には日本政府が主導して基地から遠い場所に住宅地を指定し,その近辺に商業地を誘致するべきだった.今更遅い話ですが,方向性としてはそういうことです.

これは沖縄,基地周辺住民に問題があったからではありません.彼らの多くが,そうせざるを得なかった環境下にあったのです.
それを今になって「米軍基地に依存した経済だ」とか「補助金にたかるな」とか,よく言えるなと思います.

さて,この辺で記事のタイトルに戻ります.
どうして沖縄基地問題を「諦める」のか?
それは,今回のニュースに対する意見・コメントにの中に
「大変痛ましい事件だったことは確かだが,日米同盟堅持のため沖縄の米軍駐留はやむを得ない」
という内容が結構多いことです.
ウヨク系の新聞の社説でも言ってます.
【主張】元米兵の凶行 怒りを悲劇根絶につなげ(産経新聞)
世も末です.

さらには,「今回事件を起こした犯人は,米軍とは関係ない」って言う意見もあります.
こいつら何なんでしょう,沖縄に巣食う外国人を何故にここまで擁護できるのか不思議でなりません.

上述しましたが,今回の事件が示したのは,その地域に外国人が多くなることによる治安悪化であり,それにより国民が犠牲になることの危険性です
ましてや宗主国の軍隊を数多く駐屯させているのが沖縄です.これは是正すべきことだと考えるのが通常の国民感覚のはずなのですが,どうやらこの国の中央はそう捉えていない.

ここで興味深いのは,最近の政府とその支持者が進める「移民」「外国人労働者」です.
沖縄基地問題と共通するのは,外国人を生活環境に受け入れることへの愚かしいまでの鈍感さです.

「仕方ないじゃないか」と言い訳し,同胞に犠牲を強いておきながら悠長に構えるこの国民.
加えて「米軍基地があるからお前らやっていけてるんだぞ.そのことを自覚しろよ」と言わんばかりの態度を示す自称「右翼・保守派」.
これが絶望でなくて何でしょうか.


日本ブランドを諦める