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「笑ゥせぇるすまん」が始まったよ

昨日から動画配信サイトであるHuluでも『笑ゥせぇるすまんNEW』が配信され始めました.
実は以前からずっと楽しみにしていたんです,このアニメ.
笑ゥせぇるすまん(wikipedia)

昔のテレビアニメ版は,私も子供の頃にも見ていました.たしか「ブロードキャスター」という少し深夜系番組の途中で流されていたものです.
密かなファンでした.

この『笑ゥせぇるすまん』ですが,見る人を選ぶ作品だと思います.
それだけにちょっと気にしておきたいのが,今の日本社会でこれを放送しても評判は芳しくないのではないか?ということ.

さしずめ,「時代が追いついた」のではなく,「時代を追い越した」作品.
いや,違うな.「時代を追い越しすぎて,時代を周回遅れにしている作品」だとも言えます.
だからきっと,そのうちこんな評論やコメントが出るはず.「笑ゥせぇるすまんで描かれていることに懐かしさを感じる」とかなんとか.
いやいや,お前が周回遅れなだけですから,って.

試しに,機会があったら原作や昔のアニメ版を見てみてください.
まさに「予言」とも言える内容に,「これってこの『現代』のことじゃねえか!」って驚愕しますよ.

「笑ゥせぇるすまん」は,現代人が特有的に持っている俗物根性や醜悪性を,ほんのちょっとくすぐってみせ,それを盛りに盛って悲劇としている点が面白いところです.
今回の「笑ゥせぇるすまん」のオープニングテーマは「Don't」(作詞作曲:NakamuraEmi)という曲だそうですが,その歌詞が秀逸で,まさに「笑ゥせぇるすまん」の内容そのもの.
ほろ酔いくらいがちょうどいいのに,どんどんカクテル美味しいお酒
ナチュラルくらいがちょうどいいのに,どんどん濃くなる厚化粧
手に入れたい 満たされたい 気持ちがいい 一歩折れたらドツボ
昔話で教わった 欲張りはあとで懲らしめられる
ちょっと待ってよ天狗になってない? ダサい大人ここでおしまい
おいおい,子供がお前を見てるぞ
スポットライトもいいけど,木漏れ日は最高だろ
ところが私が感じるところでは,「笑ゥせぇるすまん」で取り上げるこの「現代人の俗物根性や醜悪性」というのは,実はこの現代においては「俗物」とも「醜悪」とも思われていないのではないか?という点です.
そうなると,喪黒福造が弄んでいることの一体何が「面白い」のか,視聴者に伝わらない時代に突入しているのではないかという危惧があるわけです.
いいんですけどね,分かる人が分かっていれば.

そう言えば,喪黒福造が「ドーン!!」してる人は,まさに私のブログで取り上げている「東京人」ですね.
東京で東京人を「ドーン!!」って.

東京人については,過去記事をどうぞ.
じゃあ,どれが一番いいのか?
俗物が俗物らしくしちゃダメ
あと,その追加記事である■俗物が俗物から遠ざかるにはで述べたように,昨今は俗物が俗物であることを恥じなくなったのではないか?ということに触れました.

上述した記事で糾弾しているのは,そうした昨今の俗物たちの “拠り所” が「保守思想」であり,「天皇」であり,「国家」ではないかという話です.最近では,「天皇」のバリエーションとして「教育勅語」というのも加わりました.
彼らは保守と言いつつ保守ではない.たんなる俗物です.

俗物は,「ちょうど良い加減」とか「全体における調和」を大事にしません.
すぐ「一番」とか「ランキング」とか「コスパ」とかを気にします.
「神道を大事にするのが日本人」とか言いつつ明治神宮とか靖国神社には通うくせに,住んでるアパートの脇にある祠には手を合わせないのが俗物保守です.

そんな俗物保守たちの多く見られる事象に焦点を当てた作品が「笑ゥせぇるすまん」なのです.
「笑ゥせぇるすまん」を見れば,エセ保守(もとい,俗物)の生態とその末路が読み取れます.


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