2016年10月30日日曜日

じゃあ,どのラーメンが一番旨いのか?

東京のラーメン,実は旨くないよ.
ってことを最近の記事では取り上げてきたわけですが,そんなこと言っていると,
「じゃあ,どのラーメンが一番旨いのか言ってみろよ」
なんていう文句を言ってくる人が必ず出て来ます.
つまり,私がこういう話題で伝えたいことをぜんぜん汲み取ってくれていないんです.

私はどういうラーメンが旨いのかっていう話をしているわけでありません.
ラーメンを食べるために行列を作ったり,激戦地で生き残る店は旨いと評価したり,斬新な味付けにしたラーメンを「これぞ至高の味わい」とばかりに持ち上げる精神を批判しています.

福岡出身で博多ラーメンをこよなく愛する知り合いの先生が言うには,「ラーメンは,おやつ」.小腹が空いたときにササッと食べれるファストフードとのこと.作り方の何をこだわっているのか知らないけど,注文してから5分以上待たせる店はダメ.ましてや行列ができているなんて言語道断.しかも最近は,東京人に持ち上げられて調子に乗っている博多ラーメン好きもいたりする.すでに彼らは博多っ子ではない,それこそ『東京人』です.

激しく同意します.
※そう言えば,「東京人が博多ラーメンだと思っているもの,あれって久留米ラーメンのことだよね?」ってことも言ってました.

いつから「ラーメン」が一級の料理になってしまったのか.
傍から見ていますと,まるで「マクドナルドのハンバーガーのどれが美味しいのか?」っていう議論を頑張っているようにしかみえません.

誤解しないで下さい.ラーメンは下劣な料理だと言っているわけではありません.マクドのハンバーガーと同じような階級と位置付けをもった料理だということです.
どれだけ多様で予算と時間をかけようと,やっぱりラーメンはラーメンです.酒を飲んだ帰りに,よせばいいのに食べてしまう料理がラーメンなのです.
マクドのハンバーガーに行列を作ったり,「照り焼きチキンこそ至高の味わい」などと言う奴はいないでしょ,ということです.

もちろん,マクドのハンバーガーが悪いと言っているわけでもありません.マクドのハンバーガーは,それはそれで味わい深いものがあるでしょう.これに思い出がある人もいるし,状況によってはとても便利で美味しいわけです.

それに,マクドのハンバーガーでなくても,自分でこだわって「ハンバーガー」を作れば,これもまた非常に美味しい料理になることはたしかです.
私も自分好みに選定した美味しいパン,ハム,レタスを使ってハンバーガーを作ったことがありますが,これがまたメチャメチャ美味しくできちゃったりします.自分で作ったハンバーガーを超えるハンバーガーに出会ったことは残念ながらまだありません.変に手間暇かけて作る料理より,悲しいかな,このハンバーガーのほうが美味しかったりする.

あと,ハンバーガーに関して言えば,欧食文化圏の(それなりに悪くないクラスの)ホテルの朝食に出てくるパン,ハム,野菜で作るサンドイッチとハンバーガーが非常に美味しい.
何が違うってパンとハムです.特にパンが,日本で出回っているものとは比べ物にならないほど美味しいのです(あれ,何によって違いが出てるんでしょうね.材料なのか作り方なのか).ヨーロッパ方面に行く度,朝食を食べることが楽しみで仕方ないほどになります.

そう言えば,山形に出張した時のホテルの朝食も,我が人生屈指の食事でした.
なんせ米がメチャメチャ旨い.米だけで完結できそう.そこに芋煮とかコンニャクとか漬物とか.そりゃもうヨーロッパのパンとハムの比ではない.
あぁ,思い出しただけで幸せになります.

そうそう,名古屋の路地裏で地味にやってる居酒屋に入ったこともあります.味噌煮込みおでんを出すお店でした.
地元民が集う,まさに「アウェイ感」いっぱいの中で飲んで食ってしてきたのですが,こういうところに美味しいものがある.
このエピソードは,ブログを書き始めた1年目に記事にしたことがあります.
名古屋

...,そんな話がしたいのではありません.話を戻します.
つまり,美味しい料理というのは,そこに住む人々にとって最適化されているはずで,どれが最高のものかという話ではないのです.
たしかに「日本人」という単位でくくることもできるかもしれませんが,それでもやっぱり日本人は多様です.

賑わっているとか,競争を勝ち抜いているとか,新しい取り組みだとか,そういうヘンチクリンな理由で食べ物を評価してはいけません.

そこに住む人々が「旨い」と思うように作り上げてきた文化が存在し,それはその地の風土に馴染んだものとして発展してきているはずです.
ところが東京人はこれに「最強の◯◯」とか「ランキング」といった評価をつけたがる.
本当に美味しいものとは何か? を間違って捉えちゃっているわけですね.
本当に美味しいものは,状況や風土によって違ってくるのに,無理やり「一番」を作ろうとします.

バカなウヨクほど,例の蓮舫議員の「2番じゃダメなんですか?」を明後日の方向で批判したがります.
別に私は蓮舫議員を擁護しているわけではありません.結局のところ,ウヨクによる蓮舫議員への批判の仕方というのが,「日本のランキングが下がると悔しいから,蓮舫はクソ」という批判をしてるだけじゃないの? ってことです.

ランキングなんてどうでもいい.それは,何かしらの基準で順位付けられたことによる結果でしかありません.その分野の価値や質の高さを担保するものではないのです.
バカなウヨクはランキングにこだわってもいいでしょう.でも,国会議員がそれと同じでは困ります.
この点,蓮舫よりも安倍の方が害悪です.

そして最初の記事の結論と同じになります.
つまり,料理を味わう姿勢は政治経済や教育福祉を論ずる姿勢と通底しているのです.

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