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ウヨクの知能を諦める(沖縄基地問題編)

このブログを始めた当初から,何度か記事として取り上げているのが「右翼・保守系バカ」についてです.面と向かって「右翼・保守」を名指しするようになったのはここ数年のこと.
この『Deus ex machinaな日々』というブログに通底しているテーマと言ってもいいでしょう.

そもそも,彼らは右翼や保守ではありません.保守的な意見が好きなミーハーです.ちゃんとした保守思想を持っている人たちと同列にしてはいけません.それが,「右翼・保守」についていろいろな見解にあたった上での私なりの理解です.
毎回「右翼・保守系バカ」って書くのは冗長ですから,便宜上ここでは「右翼・保守系バカ」のことを「ウヨク」と呼称しておきます.

先日,
沖縄基地問題を諦める
と題して,ウヨクの不道徳性を指摘しました.
これについて,もうちょっと詳しく増補しておこうと思います.

よく,「実は,沖縄の在日米軍の犯罪数は少ないんだ」とか「以前よりも減っているんだ」などと言い出す人がいます.
そんなネット記事もあります.
沖縄の米軍属の犯罪の推移をグラフ化して驚く

米軍と沖縄県民の犯罪発生率を計算をしているものもありました.
米兵犯罪は本当に多いのか?統計による比較まとめ
・米軍
検挙数:42件(23年)
軍人人口(軍属含む):25,993(23年が見つからなかったので21年で代用)
・沖縄県民
検挙数:5,058件(23年)
県民人口:1,401,730人(23年)
犯罪発生率は以下の通り。
・米軍
42÷25993×100=0.16%
・沖縄県民
5058÷1401730×100=0.36%
どうやら気が狂っているようです.ご愁傷様です.
「日本人よりも検挙数が少ないから,米軍を沖縄に置いても大丈夫なんだ」などと,本気で言いたいのでしょうか? 耳を疑います.
こんなこと言っている時点で,彼らは「右翼・保守」ではない.ましてや愛国者からは程遠い存在です.

「数値」が問題ないなら外国人を受け入れてもOK.民族の理念や慣習なんて「理性」で考えたらなんとでもなるさ.だって,いつか世界は一つになるんだから.国境や民族なんて関係ない.一人びとりの人間として考えるべきだ.
ということでしょ? これは左翼の発想です.

容易に想像できるかと思いますが,人目を気にする地での駐留軍は規律を保とうとします.犯罪発生率が低くなるのは当たり前です.
それを言い出したら,自衛隊員の犯罪発生率も低いのです.それを紹介しているネット記事もあります.
自衛隊員の犯罪率って高いの? 低いの?

いえ,私はそこを気にしているのではありません.
犯罪発生率が低いんだったらOKじゃん.そんな問題では無いのです.
物事を考える出発点が堕落しています.だからこんな発想になる.

以前の記事でも書いていますが,この沖縄基地問題の本質は,
「外国の軍隊,わけても宗主国の駐留軍人が町を跋扈する中にあって,その地域の文化や経済はめちゃくちゃになる」
のであり,
「外国人が増えてくれば,当然その外国人による犯罪が発生してしまう」
わけであり,
「同胞(日本人)による犯罪よりも,外国人犯罪の方が感情的になりやすい」
ということです.

まともな保守思想,愛国思想を持っている人なら,
「沖縄は大変な状態ですね.日本国として,なんとか是正しなければいけませんね」
と思うのが普通です.
沖縄をアメリカがいいように使っているのを見て,なんとも思わないウヨクが不思議でなりません.

いや,なんとも思わないわけではない.むしろ,
「補助金漬けの沖縄」
「基地があるから成り立っている経済」
「たかり根性がある」
などと思っているようです.人間はここまで腐敗できます.

そのくせ,ウヨクは自分の身の周りの外国人(中国人,朝鮮人)の犯罪については烈火のごとく糾弾します.
極めつけは,日本人が犯罪を起こしても「実はあいつは在日じゃないのか?」などと言い出します.
その時点で「外国人」と「日本人」の違いを自覚しているはずなのに.
沖縄の外国人(アメリカ人)の犯罪については忘却の彼方です.
こういうのを「自分勝手」「外道」「悪魔」「ひとでなし」「人間のクズ」と言います.
決して「保守」とか「右翼」ではありません.

例えば,知りうる限りのデータでは,在日外国人犯罪は以下のとおり.
上述した米軍検挙件数の算出と同じように犯罪発生率(指数)を計算してみます.
データ元はこちら↓
来日外国人犯罪の検挙状況(警視庁刑事局)
平成27年版 犯罪白書()
【2014年外国人データ(一般刑法犯)】
・来日中国人
検挙件数:2,684件
在留者数:427,248人
犯罪発生率:2,684 ÷ 427,248 = 0.63

・来日韓国・朝鮮人
検挙件数:547件
在留者数:83,578人
犯罪発生率:83,578 ÷ 547 = 0.65

【2014年日本人データ(一般刑法犯)】
検挙件数:371,059件
人口:約127,083,000人
犯罪発生率:371,059 ÷ 127,083,000 = 0.29

このように,明らかに日本人の犯罪発生指数が低いということがわかります.
ここまではウヨクも納得してくれるでしょう.「それ見たことか,やっぱり中国人や朝鮮人の犯罪が多いのだ」と.

ですが,これについては様々な反論ができます.

まず,この犯罪発生指数で中国人や韓国人を叩くウヨクの思考パターンですが,以下のようなデータを見たらどうでしょう.
検挙件数を母数人口で割るこの計算方法で,都道府県別に比較してみます.
データ元はこちら↓
都道府県別人口(総務省統計局)
平成27年警察白書:都道府県別刑法犯の認知件数、検挙件数、検挙人員(警察庁)

すると,指数の高いベスト3は,
鳥取:0.48
群馬:0.42
福岡:0.41
(ちなみに,東京は0.35)
となります.
対して,低いのは,
青森:0.19
岩手:0.19
富山:0.19
ということになり,そこには約0.3ポイントの差があるわけですよ.
つまり,上述した中国人,朝鮮人の犯罪発生指数と同程度の差があるのです.

さてでは,「青森,岩手,富山」の人は,「鳥取,群馬,福岡」の人々に対し,
「それ見たことか,鳥取の奴らは犯罪者集団だ」「群馬は民度が低い」「福岡は日本の恥」
などと言うのでしょうか.
そんなことは言わないはずです.
なぜなら,それは同じ日本人だからです.

犯罪発生の指数が高いのには,それなりの訳がある.そう考えて不問に付します.もしくは,この状況をなんとか改善しようと真摯に努めます.
しかし,外国人に対してはそうではない.いえ,私はそれがダメだと言っているわけではありません.彼らは日本人ではないから,ちょっとでも犯罪があれば「日本人」と同じようには考えられないでしょう,ということです.

難しいことを言っているわけではありません.
日本人同士でなら気にならい程度の犯罪発生率の差は,外国人であれば気になってしまう.それは沖縄も本土も同じことなのです.
これは犯罪発生率で片付けられない問題です.
米軍は犯罪率が低いのだから,その駐留くらい我慢しろよという発想がそもそもおかしい.自分たちが左翼だというなら別ですけど.

あと,「近年は米軍による犯罪は減っているんだ」ということについても,それと同様,外国人犯罪も減っています.
「最近は外国人犯罪が増えている」というのは一昔前までの話で,今は減少しています.
来日外国人犯罪の検挙状況(警視庁刑事局)
にそれが示されています.
国籍別の刑法犯検挙件数 H21とH26の比較(警視庁刑事局)2015

でも,だからといって「じゃあ,外国人を国内にたくさん受け入れても大丈夫だよね」ってことにはならないでしょ?
何度も言いますが,外国人犯罪の問題点は,「外国人が犯罪を犯している」という点が一番問題なのです.だから別カテゴリにして集計してるんだし.
外国人は犯罪が多いから問題になるわけではない.これは量ではなく質の問題です.

ところが,まさにここがウヨクの知能を諦めたくなる点で,中国人や朝鮮人の犯罪にアレルギー反応を起こすくせに,なぜか現政権が進めている「外国人労働者」の受け入れには寛容なのです.外国人労働者のほとんどは中国人になる予定なのに.
移民政策は「中国人受け入れ」と同義 これだけある問題点
不思議でなりません.

いえ,彼らは教祖の言葉に従っているだけなのでしょう.
安倍晋三「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」(YouTube)
ウヨクにとって国境や民族なんてのは,「数値」を前にしたらどうでもいいことになってしまったのです.

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