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大学生を相手に初めて授業する人が準備しておくべき3つのこと|【その3】私語を絶対にさせない環境にする

【その2】成績評価の判断材料を厳格に決めておき,それに対応した授業を展開する,の続きです


今回は,【その3】私語を絶対にさせない環境にするについて解説します.


全体を整理しておくと,授業を担当する上で重要なことは,この3つです.
大学で授業することが初めてでビビってる人や,既に1年やってみたけど失敗し,ちょっと悩んでいるという人は確認しておいてください.

【その1】15週分の計画は予め具体的に決めておく
【その2】成績評価の判断材料を厳格に決めておき,それに対応した授業を展開する
【その3】私語を絶対にさせない環境にする ←今回はこの話

実のところ,上記のことは「大学授業の基本」として,たくさんの書籍が販売されています.
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【その3】私語を絶対にさせない環境にする


「私語対策」は,大学教員にとって典型的な課題とも言えます.

小教室でのゼミ形式であれば対応は簡単.
教員側にも聞こえてくるので,
「おいそこ,うるさい」
と気軽に指摘できます.

ところが,問題なのは大教室です.

マイクを使ってしゃべる時間が長くなってしまうと,どうしてもヒソヒソ話を始める学生が現れます.
教壇に立っているこちらには聞こえなくても,その周囲2mくらいにとっては迷惑な行為になっていることが多いわけです.

私もかつて,授業内のリアクションペーパーや,授業評価アンケートに,
「周囲の学生のヒソヒソ話が気になって授業に集中できなかった」
みたいなことを書かれたこともあります.

これについて大学教員の立場からすると,
「だったら前の方に座れ」
とか,
「君がその学生に注意すればいいだろ」
と言いたくなるのですが.
じゃあ,私語を指摘し合っている一般社会人がどれほどいるか,というと,それは頼りないわけです.

私だって,学生の立場であれば,そんな学生に「私語をやめてくれ」と言えるか怪しい.
大人になった今とか,友達同士ならまだしも,全然知らない学部学科の,しかもヤンキーやギャルみたいな奴だったら,面倒になることを避けてしまうかもしれません.

ですから,教員側が私語対策をしなければいけない部分はあると思います.


大教室の私語対策が難しいのは,教員側が取り締まりを徹底できないことです.
教壇まで聞こえてこない私語は指摘しようがありません.
ですから,抑止力が大事になってきます.

対応策としては,まず,前回の
【その2】成績評価の判断材料を厳格に決めておき,それに対応した授業を展開する
でも取り上げたように,

「私語を見つけたら退室(減点)ルール」

を採用することです.

そこで述べたように,これは厳格に適用します.
絶対に「脅し」で使わないでください.
作ったルールが無意味となります.

厳格に適用することで,この教員は私語に厳しいと思わせます.
そうすれば,退室や減点にされたくない学生の私語のハードルを高められます.


他の対策としては,私は採用していませんが,

「私語ができない授業」

にすることです.
もっと言えば,私語をしている余裕がない授業です.

授業ペースや作業量を多くして,私語をしていたらついていけない授業.
例えば,毎回の授業に提出物を課して,それができなければ成績に影響するような授業にすれば,いやでも私語はなくなります.

しかし,この授業のタイプは教員側の負担も大きいです.
学習効果をあげようとすれば,提出課題や難易度を計画的に設定しないと,学生としては膨大に作業したけど,何も得られずに不満がたまることになります.


次の対策としては,

「私語が気にならない授業」

にすることです.
これが自然と成り立っている典型的な授業が,実技・実習系ですね.
体育実技や実験実習の授業で私語をしていても,それは学習活動において気になりません.
課題や指導上の指示をする時だけ私語を禁じて,あとは学生たちなりに学習活動を展開するタイプの授業.

これを講義系の授業にも当てはめるわけです.

例えば,前述した「毎回の授業に提出物を課す」ということを成績評価にした授業がそれに相当します.
それも,周囲が私語をしているかどうかなんて関係なく取り組める課題にするのです.

私語をしているかどうかなんて関係ない.
「結果を出せ」
というタイプの授業.

周囲が騒がしいスターバックスで作業したり,オフィスで仕事をするのが普通なように,授業中に自由に学生同士が相談したり,お互いに提出課題を手伝ったりする授業にします.

課題が学生の興味とハマると,私語が全くなくなることもあります.
むしろ,私の方から「周りの人と相談していいよ」と促すケースもあるくらいです.
これは,前述した「私語ができない授業」になっている状態です.

このタイプの授業を展開する場合,
「私,きちんと真面目に授業を受けています」
という学生を,そういう「態度」によって成績評価してはいけません.

あくまでもアウトプット(提出物)を評価します.

ただ,これは大教室授業では困難ですし,そんな授業ばかりやっていても知識の伝達は難しいと思います.
中規模(30人〜50人)くらいまでの授業が限界です.


そう考えると,私語対策は「見つけたら厳格対応」が最も効果的かと思います.


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