2019年3月20日水曜日

教育系ドラマ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」を見たよ

テレビを持っていない私は,世間に出回っている映像コンテンツを見るためにはネットの動画配信サイトを使っています.
Huluは契約している動画配信サイトの一つです.

日本テレビの2019年最初の連続ドラマとして,日曜夜10時に「3年A組―今から皆さんは、人質です―」っていうのをやっていたそうです.
テレビで放映したあと,すぐにHuluでも配信していたようなのですけど,「連続ドラマ」より映画を優先的に見ることが多い私は,「3年A組」は後回しにしておりました.

けど,やっぱり「教育系ドラマ」はある種の義務として見ておくべきだろうと思い,全話を放映したあとに,まとめて見ました.
教育系ドラマは,「3年B組 金八先生」とか「学校があぶない」とか,あとは「中学生日記」なんかも含め,その時代の教育問題と社会的な歪みを鋭くえぐり出す良作が多いのでハズレが少ない.
たぶん,教育現場を舞台にしたドラマは,脚本家とか監督といった製作者の伝えたいメッセージを具現化しやすいのだと思います.「教員」と「生徒」という関係は,日本人にとって分かりやすく共有しやすい構造を持っているのかもしれません.
最近だと(といっても6年前だけど),「35歳の高校生」あたりが意外と良かったですね.
なお,私は教育系ドラマと学園ドラマは明確に分けていますが,その違いと定義については割愛します.

もちろん,教育系ドラマも視聴率を稼ぐために一般大衆向けとして作られているのですから,演出とか脚色に無理があるのも否めないですが,「問題意識」についての共通理解を促す上ではとても強力です.
その点,「3年A組」はかなりぶっ飛んだストーリーでしたが,これくらいの方がドラマとしての面白さがあるので良かったと思います.

【以降,ネタバレを含みつつ書いていきます】

主人公の美術教師である柊一颯は,赴任した高校で発生した女子生徒の自殺の真相を世に知らしめるため,担任していた3年A組の生徒全員を人質として,学校に立て籠もる事件を起こします.
細かい話や設定は,ウィキペディアなんかを読んでください.
3年A組―今から皆さんは、人質です―(Wikipedia)

「生徒の自殺の原因を突き止める」っていうのが,なんとも世相を反映しておりますね.

結局,柊先生が結論づけた,女子生徒が自殺した原因は「大衆」でした.

自殺した女子生徒のことを知りもせず,その周囲の人間関係や環境・事情を詳しく知ろうともしない,未確認情報をもとに面白おかしく弄んだ,無責任なネット民による誹謗中傷.
それが,現代の教育現場で猛威をふるっていることをテーマとしたドラマです.

もちろん,そうしたネットでの誹謗中傷の遠因をつくった人物たちもドラマ内で糾弾されています.
でも,それを「自殺の直接の原因」と断じることはできません.
人が自殺という判断をするまでには,たくさんの材料があります.決して単一のものではないのです.
この「3年A組」では,昨今の流行でもある「いじめ」が自殺の原因ではないかというストーリー展開をとっていますが,そのクラスの「いじめ」という現象には,非常に複雑な事情が絡み合っていることが描かれていました.
っていうか,実際の教育現場ではさらに複雑ですが.

そこに,現代の教育現場には「SNS」という増幅装置が絡んできていることがテーマとなっていました.
ネットによる誹謗中傷は,救いの手を払いのけ,罪のない人を陥れ,再生・更生しようとする人を切り捨てる能力を持っています.
なにより問題なのは,この恐るべき力は,絶対に反省などしないし,むしろ事態の悪化を好むところです.それは,この力が個人の意思や判断によるものではなく,集合体による空っぽの力だからです.その空っぽの力に,人は大きく傷つき,絶望を植え付けられます.
ドラマの中でも言及されているように,柊先生が命をかけて訴えた,無責任なネットでの誹謗中傷が解決することはありません.
もともと「解決」するような話でもないわけですから.

だからこそ,柊先生は生徒に「自分の頭で慎重に考える」ことを繰り返し熱心に説いています.
少しでも多くの人が,せめて目の前にいるこの生徒たちが「自分の頭で慎重に考える」ことができれば,今よりはマシな社会になってくれるだろう,という「祈り」を捧げた10日間を描いたドラマでした.

私はこのブログで,大きなテーマとして「教育」を綴ってきたところがありますが,その最初期から訴えていることと,「3年A組」で映像化されたことが非常に近似していることに感動しました.

最終話での「最後の授業」をする柊先生を演じた菅田将暉さんの迫力,凄かったですね.
彼は自分の言葉が「大衆」に届かないことを十分に分かっている.
なぜなら,そこは空っぽだから.
けど,伝えなければいけない,叫ばなければいけないからカメラの前に立った.

刑事の「なぜ生徒のためにそこまでする必要がある?」との問いに,彼は「教師ですから」と返しました.
でもそれは,実は多くの「教員」が普段の業務でやっていることと同じなのです.
爆弾が仕掛けられた学校で伝えるか,普通の授業で伝えるかの違いです.
あとは,それを聞いた側の受け止め方次第になります.
空っぽの人には伝わりません.
でも,準備ができている人には伝わります.期待できます.
けど,全ての人に伝えることはできない.
だから教員は,皆に伝わらないことを承知で,それでも必要があると感じているから叫ぶのです.
それこそ,子供向けのヒーローのように,凡庸で,野暮な,クサい理想論を,生徒や世間からバカにされようと,笑われようと叫ぶのです.


最後に,このドラマの内容と関連した記事を以下に並べてみました.
興味がありましたらどうぞ.



2019年3月15日金曜日

やっぱワックスはいるわ

白馬八方尾根でスキー
で取り上げた話題に「スキーにワックスは不要ではないか?」というものがあります.
例えばネットではこんな記事があります.
スキーのワックスについて質問です(ヤフー知恵袋)
スキーワックスは不要という事?(趣味人倶楽部)
スキーのワックスがけは無駄ですわよ(個人サイト)

簡単にまとめれば,「最近のスキーのソール材料は性能が高いため,ワックスをかける必要性がない.むしろ,ワックスをかけることで細かいチリを拾いやすくなるため,悪影響の方が大きいとする実験データもある」ということ.

以前から気になっていたことですが,この度,実際にそのあたりに着目して試してみようと思ったわけです.

で,スキーについてはこの2年間一切ワックスをかけずに滑ってみました.
その結果,以前記事にした2月の白馬八方尾根のあとも,妙高とか湯沢に行っているのですが(トータルで6日),ワックスをかけなかったからと言って滑りにくくなった感触はありません.

スキーではそんな感じだったので,ではスノーボードではどうなのか? というところで,今シーズンからスノーボードについてもワックスをかけずに滑っております.
今シーズンのスノーボードは,1月と3月に入ってからのトータル5日ほど.
さっそく「ワックスが必要」ということを実感しました.

1月にスノーボード研修会に行った時は全く問題なく滑れたんです.
けど,3月に入ってからが問題でした.
先週と今週,日帰りでガーラ湯沢(石打丸山&湯沢高原)に行っているのですけど,先週は雪が降ってフカフカのコンディション.
ただでさえ新雪で滑りにくいのに,ワックスをかけていない私の板は,明らかに周囲の人たちより滑っていない.
具体的には,ガーラ湯沢・北エリアのビクトリア・リフトから降りてすぐのコースへ向かう緩斜面が滑らない,滑らない.全く滑らない.
ピョンピョン跳んで勢いをつけないとすぐに止まってしまう.私よりおぼつかない足取りのスノボ初心者の人たちが,綱渡りか産まれたての子鹿のような姿勢でゆっくりコースへ向かっているのに,私だけ必死に勢いをつけたり摩擦を減らす努力をしなければならないんです.

ただ,この「滑らない」という状況は緩斜面だけで感じるものです.
斜面に角度がついてくれば,それこそコースに入ってしまえば,まったく問題なく滑れます.

結論的には,スノーボードにワックスは必要です.
上級者はわかりませんけど,特に私のような中級者から,きっと初級者には必須だと思います.

何に問題が出るって,緩斜面で滑ってくれないのですから,ワンフット(スノボを片足で滑ること)で移動する場面でも滑ってくれません.
なんせ,これがメチャクチャしんどい.
それに,初心者は緩斜面で滑ることが多くなりますので,そこでストレスなく滑ることができないと,どうしても疲労がたまりますよね.

ある程度の検証滑走が終わったら,さっさと滑走ワックスを塗ってやりました.
使ったのは,ガリウム社のGENERAL-Fっていうポピュラーなスプレータイプの滑走ワックスです.


そしたらまあ,滑る滑る.

けど,ネット記事にもよくあるように,このスプレータイプの滑走ワックスは,「リフト2〜3本で効果がなくなる」というのも本当のようです.
リフト2〜3本というほどでもないにせよ,1時間ほど滑ったら,やっぱり滑らなくなってきます.
緩斜面にきたら,またピョンピョン跳ばなければ進んでくれなくなるんです.

そこで,古来より効果が実証されている「ベースワックス生塗り」をやってみます.
やり方は簡単,固形のベースワックスをソールの全面にゴリゴリ擦り付けるだけ.
ポケットに持参していたのは,これもガリウム社のベースワックス,VIOLETです.


これだけでも十分滑ってくれたのですけど,今回はこれに,上述したスプレータイプの滑走ワックスを追加で塗ってみました.
なんでも,「ベースワックス生塗り後に,滑走ワックスを上塗りすれば,ベースワックスの滑りが持続しやすい」という話を聞いたからです.
その理屈としては,滑走ワックスには油を溶かす溶剤が入っているので,生塗りしたベースワックスを溶かして板に定着させる効果があるのだとか.
実験データがないので,本当のところはわかりません.

でも,1日滑るだけなら,これで十分だと思いますよ.
昼頃にこの処置をして,夕方5時近くまで滑走性は落ちませんでした.

スノーボードは,スキーのようにストックがないしスケーティングできので,緩斜面で滑りが悪いとリフト周辺の移動が大変になります.
なので,スノーボードはワックスをしっかりかけておくことをオススメします.
今週は自宅でしっかりワックスがけしておいた板で滑ってきたのですが,その甲斐あってストレスなく楽しめました.

一方,スキーではワックスはどうしても必要なものではないと思います.
ワックスをかけた方が滑走性は上がるのでしょうけど,滑走性が無ければ無いなりに滑ることができるので,タイムを競う競技志向の人でない限り,ワックスがけは自己満足の世界かと.
スキーではストックがあるし,スケーティングできるので,ワックスがないことによる緩斜面での不便さはスノーボードほど感じません.今の所,長距離のスケーティングが必要なスキー場に行ったことないので.

最後に,スキーでもスノーボードでも「ワックスがかかっていないと滑りにくくて転んでしまう」という記述をネット上で散見するのですが,これはワックスは関係ないでしょう.
転ぶ人は,ワックスがかかっていても転びますよ.
たんに,体重の載せ方が悪いだけです.そこにワックスの影響が入る余地はありません.
むしろ,上級者コースや非圧雪のところに行けば,ワックスでどうこうなるような摩擦抵抗のコントロール下にありません.ちょっと考えたらわかるはずです.
つまり,ワックスがかかっていないことによる滑りにくさが原因で転倒しているようなスキルレベルでは,上級者コースや非圧雪のところには入れないということです.
たぶん,日が当たっているところと影のところの雪質の違いでも転倒しちゃうんじゃないかな.

私が「スノーボードにはワックスが必要」というのは,スノーボードでは緩斜面が滑らないとストレスが,特に精神的ストレスがたまるからです.

2019年3月10日日曜日

大学教員やめます

6年前にも似たようなタイトルの記事を書きました.
大学やめます

この時は勤めている大学を退職し,別の大学に移るだけでした.
今回は「大学教員」その職自体を辞めることにしたんです.

先日,大学の後輩の結婚式があったんですけど,そこで同じテーブルについたのが大学・研究室仲間でした.
その中の先輩の一人が「お前,今後はどうすんの?」って聞いてきたので,
「もう教員生活やめるんです」
ってことで本格的に周知するに至ります.

結構な勢いで驚かれていましたけど,私の事をいい加減な進路判断をするタイプではないと思ってくれているようなので,皆様すぐに納得してくれたようです.
なお,この件は既に私の指導教員や極身近な人には伝えております.

実際,このブログを定期的に読まれている方であれば,予想できる「私の未来」だったのかもしれませんね.
近年の大学現場が,どれだけ私の教育理念と不適合なのかを語る場として本ブログがあったようなものだからです.
「そんなに嫌なら辞めればいいのに」と思われていた人もいるかもしれませんが,だからという訳じゃないですけど,辞めることになりました.
「こいつ,いつ大学教員をやめるんだろう」と思っていた人もいたのではないでしょうか.

もちろん,理想と現実は違うとか,やりたいことと出来ることは違うとか,何事も我慢しなければいけないことがある,などという考え方もあるでしょう.
でも,私としてはそういう考え方はとらないことにしています.
理由は,理屈的にも経験的にも,そういうふうに考えて生活していると物事が悪化するだけだからです.
ストレスだけ溜まって,相対的にも総体的にも生き心地が良い環境になりません.

これと似たような論理を使って,このブログでは昨今の政治や経済を語ったこともありました.
例えば,■「じゃあ,代わりは誰かいるのか?」の愚とか,■井戸端スポーツ会議 part 44「スポーツの精神が大切なわけ」 とか.
まあ,私という人間の思考と嗜好です.

だいたい,6年くらい前から「遠くないうちに辞めよう」と考えておりました.
そうは言っても6年経ちましたね.これは遠くないうちに入るのか,遠かったのか.
6年前と言えば,冒頭でも述べた,当時奉職していた大学をやめて移ることを決めた時期でもあります.
大学教育はヤバいな,と思っていた時期で,そういう記事を書いていた頃ですね.
例えば,■反・大学改革論とか,■こんなホームページの大学は危ない みたいな記事が炎上めいて読まれていました.
懐かしいですね.
その頃から,もしくはその記事から本ブログをお知りになった方もいるのではないでしょうか.

さて,6年前に「これからの大学教育がヤバい」とは思ったものの,「じゃあ,辞めちゃおう」というのはさすがに拙速だという常識的な感覚が働いてしまい,とりあえず別の大学,できれば有名・優良・難関と言われるところで働いてみたいと思って大学を移ったんです.

で,移った頃は良かったんですよ.
さすが,「偏差値が高い」とされる大学は違うなと思わされました.
ところが,やっぱり大学教育を蝕むウィルスは,少しずつ全国あらゆる大学を侵食していました.

辞めることが現実味を帯び始めたのは3年くらい前から.
以前の職場でお世話になっていた先生にも相談にのってもらっておりましたが,この頃から「見切りをつけようと思います」という話題はちょっとずつ出ていました.
そう言えばちょうどこの頃は,ブログ記事でも,■大学教育を諦める といった感じで露骨に披露し始めた時でもあります.
まあ,実際のところ大学教育を諦めたのは上述したように6年前からなのですけど,自分の身に引き受ける形で本格化したのがこの頃でしたね.

そして現在,大学とか教育がどうでもよくなった,というわけではありません.
それなりに問題意識は持っています.
でも,私自身がその中に入ってアレコレ頑張るよりも,「大学教育」という場に,私以上に情熱と志を持って頑張りたい人に任せたいわけです.

でもまあ,簡単に言ってしまえば「つまんなくなったから」というのが,私の素直な心情を適切に表現できているとは思いますけど.

ただ,バッサリ切り捨てていくような付き合い方を好まない私としては,ちょっとずつフェードアウトするつもりです.
実際,その方が大学の教務とか役職についている人たちに迷惑がかからないから.
本格的に大学現場との関係性を断つのは来年からです.

なので,これから1年間ほどこのブログは,「大学教員をやめる」ことについてフォーカスしてみようと思います.
広い日本,たくさんいる大学教員のなかには,私と同じような事を考えている人もいるでしょうから,そうした人たちの参考になれば幸いです.


2019年2月26日火曜日

沖縄の米軍基地問題について2019

これが今年最初の「沖縄基地問題」になります.
過去には,
沖縄の米軍基地問題について2018
続・沖縄基地問題を諦める
沖縄基地問題を諦める
ウヨクの知能を諦める
といった記事を書いてきました.

今回は,先日に沖縄で投開票のあった「辺野古埋め立てアンケート」に関連してお話したいと思います.
まず,話題となるニュースはこちらです.

辺野古「反対」72% 玉城氏「工事中止を」 知事選の得票超す 投票率52.48% 沖縄県民投票(朝日新聞 2019.2.25)
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画をめぐり、名護市辺野古沿岸部の埋め立ての是非を問う県民投票が24日、投開票され、「反対」が72・15%の43万4273票だった。玉城デニー氏が昨年9月の知事選で得た過去最多の39万6632票を超えた。
この結果については,ウヨク系の人たちが「辺野古埋め立てであって米軍基地について問うたものではない」とか「賛成派が意思表示できないような空気が沖縄にはある」などといろいろイチャモンをつけていますが,なんにせよ沖縄県内では「米軍基地を置き続けたくない」という意見が圧倒的多数であることが分かった調査だったと言えます.
どう偏って見ても,そこいらの社会調査や世論アンケートよりよっぽど信頼性がありますので.

投票率が52.5%と低かったことをあげつらう本土のウヨクもいますが,そんなこと言い出したら,ここ数年の衆参両院選挙の投票率も52%〜54%と同じです.
もっと言えば,安倍晋三の山口4区の投票率も50%台ですし,彼の得票率も約75%と,今回の県民アンケート結果と類似しています.

そもそも,その集団における「意見」を聞き出したいのであれば,別に回答率が100%である必要はありません.
昨今では有名になりましたが,世論調査のようなものであれば,統計学的には1500人〜2000人規模の調査で済むとされています.もっと少なくてもいいくらい.
今回の結果にしても,たとえ投票率が100%になったとして,結果が大きく変わることは考えにくいです.

いえ,今回はそんなことを論じたいのではありません.
この県民アンケート実施の賛否は別にしても,その地方自治体の構成員や首長がそろって「嫌だ」と意思表示しているものを,わざわざ推進していくことは,立憲と民主を標榜する国としていかがなものかということです.
そういう意味では,今回の県民アンケートの実施は意義があったと言えます.

この手の話としてネット記事でも論じられているものに,「日本国憲法第95条」があります.
第九十五条
一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。
当然のことながら,「軍の基地を設置する」というのは特別法によります.
日本では,基地を置くには地方公共団体である住民の同意を得なければいけないシステムになっているのですが,今回の沖縄基地問題はこれに抵触しますよね.

これについて,主に沖縄に基地を置くことに賛成の立場の人たちは,
「国防という安全保障に関わる問題や,国際的な信頼性に関わる事柄では,その解釈に幅を持たせるべきだ」
と主張することがあります.

いや・・・,何いってんの?
絶対ダメでしょう.

同じような話が「集団的自衛権問題」の時にもありました.
その時に書いた記事はこれ↓

私はなにも,憲法の解釈に幅を持たせることに反対しているわけでもないし,集団的自衛権に反対しているわけでも,沖縄に基地を置くことに反対しているわけでもない.
のちの世に禍根を残すような杜撰な判断をするなと言っているだけです.

例えばさっきの,
「国防という安全保障に関わる問題や,国際的な信頼性に関わる事柄では,その解釈に幅を持たせるべきだ」
という話にしても,これってメチャクチャ危ない話ですよね.「国防」という名分であれば,地方公共団体の主張や意思は中央の都合でなんとでもなる,ということを意味します.
そしてそれは「国防」に限ったことではありません.その時その時の国家の興味や都合に合わせて,解釈したい事に幅をもたせてもいいということになる.

頭の弱いウヨク系の人たちは,「その判断は時と場合によるんだ」などと言いたいのでしょうが,これは法の話です.そんな適当な認識で「僕の考えた最強の国家運営」を展開されては困ります.
大人たちがこんな状態ですから,小学校からプログラミング教育が展開されることは歓迎すべきかもしれません.今後の子供に期待です.
どうして国家が「憲法」を用いた統治を始めたのか.それは,君主や為政者が「その判断や解釈を,時と場合によって使い分けられないようにするため」だったはずです.

もちろん,国防は大事ですよね.それを軽く見ているわけではありません.
でも,そんなに大事なことであれば,まずは「憲法改正」をしてから取り組めばいい話です.というか,そうじゃなきゃダメです.プログラミングの考え方からしても,そうなります.
私は憲法改正を支持している者ですから,さっさとそっちから進めればいいと考えています.でも,なかなか進めてくれませんね.

沖縄基地問題に関することであれば,どうしてもっていうのなら憲法第95条のところに「なお,国防に関する法や条例については,この限りではない」などと加筆すればいいのではないですか.まあ,そんなことは常識的にも倫理的にも勧められないでしょうけど.

ところで,以前の記事からずっと述べてきていることですけど,沖縄に基地を置きたいのに県民が嫌がっているからって,じゃあ別のところに絶対移さなきゃいけないのか? というと,そういうわけでもないと私は思っています.
日本国として,沖縄に軍事基地を過密になろうと置かなきゃいけないと考えているのであれば,そうすればいい.繰り返しますが,国防は大事だから.
でも,それだけの負担をかけるのであれば,憲法第95条に照らして現地の人がOKを出すくらい優遇措置をとる必要があります.
「タカリ根性」とか「つけあがってきた」などという批判があろうとも,それは日本という国家・政府として調整すべきです.それが嫌なら憲法改正をしましょう.
これは「基地」に限った話ではありません.原発とかダムの建設,その事故対応についても同様だと思います.

沖縄基地問題に関連して,「沖縄独立」が取り沙汰されますよね.
正直なところ,私はそれも沖縄にとっての政治的カードだと思いますよ.
なぜって,沖縄が独立されて一番困るのは日本だからです.

よく,「沖縄が独立して困るのは沖縄県民だ」「中国に侵略されるぞ」などと言われますが,本当にそうでしょうか.
むしろ,仮に中国に侵略・吸収されたとしても(そんな事態はほぼ考えられないけど),今の御時世,中国としては沖縄を穏便に,否,高待遇で統治することによってアメリカ・日本との対決を有利に進めたいと考えるのが普通じゃないですか.私が国家主席ならそうします.
よく引き合いに出されるチベットやウイグルとは地政学的にも条件が全く違うし,どっちかというと香港に近いんじゃないですかね.

まあ,そんな話は妄想だったとしても,沖縄が日本国による統治を嫌がるような状況,それこそが事の本質を表現することと言えます.


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