2018年1月14日日曜日

センター試験で嘔吐した人がいて,試験中断しなかったことがニュースになっています

センター試験でしたね.
毎年のことなので,今年も記事にします.

過去記事はこちら.
今年もセンター試験の感想
センター後日
センター試験とか入試におけるアレコレ
センター試験とか入試におけるアレコレ2016

センター試験が終わった本日,こんなニュースがありました.
センター試験 再試験対象者は49人に 試験中に嘔吐、中断せず(Yahooニュース2018.1.14[産経新聞より])
初日の13日に大阪学院大(大阪府吹田市)の会場で試験監督者による指示誤りがあったことも判明し、44人が新たに再試験の対象となった。再試験対象者は計49人。
センターによると、大阪学院大では13日、受験生1人が嘔吐した際、本来は試験室全体で中断すべきだったが、監督者が「周囲に影響はない」と判断していた。試験室にいた他の受験生は再試験を受けられる。
このニュースに対して,ヤフーでは「コメント」の所でいろいろな事が言われています.
私も試験監督者の一人なので,当ブログにてコメントしようと思いました.
これから語るのは,私の妄想であることを申し添えておいた上でお読みください.

多分ですけど,当該試験場(試験室)における「試験監督者(主任監督者)」は,その場だけで判断しちゃったんでしょうね.
だから記事では「指示誤り」という表現になっているんでしょう.

一般的な対応(但書:その対応マニュアルや大学ごとのマニュアルは試験後に回収されるので,私が記憶している限りですけど)としては,受験生の「嘔吐」が発生した場合,主任監督者は同室の他の監督者,または試験室の外にいる監督補助の人(うちの大学では学生バイトがやっている)に試験本部へ状況連絡をさせます.
(但書:私はそんな状況になったことがないから推測ですが)試験本部はこれに対し「汚物処理班」を向かわせることになっています.
そして,この状況を試験場の責任者(その会場の責任者)が試験の続行・中断および再開方法を判断することになるんです.
通常なら,嘔吐が発生した場合はその時間の試験は中断され,汚物処理班が対処してから後,同じ部屋または試験室を移して再開することになるでしょう.

でも,産経新聞の取材では「試験本部の判断ミス」ではなくて,「監督者の指示誤り」ということになっているので,おそらくは当該試験室にいた監督者だけで「あんまり吐いてないし周囲にも影響がなさそうだから,大丈夫なんじゃない?」という感じで対処しちゃってて,その後,どこぞからこの話が漏れて発覚したといったところかなって思います.
上記が私の推測する現場の状況.

Yahooニュースのコメント欄では「ノロウィルスが危ない」とか,「嘔吐ごときで中断するな」とか,「そもそも体調不良者が試験場に来るな」などとコメントがありますが,なんともつまらない話ですね.
別にノロウィルスだけが怖いわけじゃないでしょう.もしかすると,もっと危険な病原体かもしれないんだし.

その一方で,ノロウィルスごときで騒ぐこともないでしょう.
試験場では咳き込んだりクシャミをしている受験生はたくさんいますが,インフルエンザにかかっている人だったら大変ですね.インフルエンザはノロウィルスよりも感染力や死亡率が高いのですから.
実際,咳き込んだりクシャミしてる奴がいるからって試験は中断されません.体温を測ることもしないし,意識がおかしそうな受験生に「君,大丈夫?」って聞いても「大丈夫です」っていうに決まっている.別の意味で意識がおかしい受験生もいるんだから,こちらとしてもあまり構ってあげられません.

来場する受験生がインフルエンザやノロウィルスに罹っているかどうかなんて知りようがないんだから,「羅患している者は来るな」という要望はごもっともながら,試験に人生をかけ挑む受験生の耳には入りにくいでしょうね.
試験に集中している手前,自分が病気になっている自覚すらないだろうし.

現実問題として,センター試験会場で病原菌とかウイルスへの対応はできないんです.
あくまで会場では「公平な試験」ができているかどうか.そこに焦点が絞られます.
つまり,「テスト問題を解く上で条件が公平・公正になっているか」ということであり,嘔吐による感染の危険なんて副次的なもの.
嘔吐によって試験を中断するのは,解答に集中できず,公平性が損なわれるという理由からです.発狂して奇声を上げ始めた受験生への対応と本質的には一緒になります.
それに,細かいこと言い出したら,感染症対策を施されずに対処しなければいけない私たち監督者や補助学生はどうなるの?ってことになりますし.
(にしては試験監督者の報酬は安いな・・・)

ノロウィルスやインフルエンザに罹るのが怖くて,センター試験会場になんていけません.
その危険性を上回る価値がセンター試験にあるから受験しているという暗黙の了解が成り立っているんです.
これは,ケガが怖くてボクシングはできないし,遭難が怖くて登山はできないということと一緒です.

似た話として,こんな記事を書いたこともあります.
こちらもどうぞ.
井戸端スポーツ会議 part 43「小林秀雄が語るスポーツの精神」
井戸端スポーツ会議 part 44「スポーツの精神が大切なわけ」



2018年1月11日木曜日

週末はセンター試験ですね

明後日からセンター試験ですね.
今年も監督者をやりますよ.かれこれ10年近くやってます.

各大学では毎年「センター試験説明会」なるものが開催されているのですが,ここ数年は実施方法に大きな変更点が無いので,どうしても馬耳東風気味になってしまうのが自分でも怖いところです.油断していると凡ミスをしかねません.

そういう意味においても,昨年書いた■今年もセンター試験の感想の記事でも述べましたが,意外にもセンター試験監督は「主任」が最も楽です.
初心者や慣れていない人にとっては,当該試験場の責任あるポジションだと思ってビビる役職ですが,慣れてしまえばその緊張感がちょうど良い加減になって,むしろストレスは減ります.

それに,主任監督者は実施要項(っていう監督マニュアル)に従って「指示出し係」として人間スピーカーになっていれば済むので.
もちろん不測の事態に対応しなければいけないという側面もありますけど,実のところ「不測の事態」というのは想定されておらず,あらゆる事態が実施要項に書いてあるので,それを読んで対応することになります.

そうは言っても,不測の事態は起こりうるわけですけど,実施要項に書いてないことは「書いてないから」ということで対応しなければOKです.
こういうところにも原発事故問題とか北朝鮮ミサイル問題あたりと関連性がありそうな我が国の課題が見え隠れしますが,それはそれ.

なんにせよ,そういうわけでセンター試験監督は慣れてしまうと途端に退屈な仕事になります.
何年もやっていれば色々なトラブルにも遭遇しますので,大抵のことには焦らず対応できるようになっていますし.

というわけで今回は,センター試験監督者がちょっとビビる出来事を取り上げてみます.

(1)リスニング試験中に受験生から手が挙がる
監督者ビビリ度:★★★★★
センター試験初日の最後,英語リスニングテストというのがあります.
センター試験において試験会場と監督者たちから最も嫌われている科目です.
ICプレーヤーでイヤホンを使って英語問題の音声を聞き取りながら回答するというもので,それを妨げないよう監督者は物音を立ててはいけないことになっており,その試験中は他と違って巡回作業をしないんですけど.

そんな試験中に受験生から手が挙がったら,それに対応しなければいけないじゃないですか.
手が挙がった瞬間,複数の監督者で実施してる会場であれば「おい,コイツに誰が対応しに行くんだ?」と各々の無言の譲り合いが始まります.

私もリスニングテスト中の挙手に対応したことがあります.
音を立ててはいけないのですから,筆談で対応します.
その受験生は「トイレに行きたい」というものだったので対応が簡単でしたけど,それ以外の,例えば「近くの受験生がうるさい」などの訴えだった場合は,その対象学生とも筆談をしなければいけないので面倒です.
実際,そんな訴えをする学生はいませんけどね.だって,そんな訴えをしている時にもリスニングテストの音声は流れているので,それを無駄にすることになります.
「トイレに行く」なんて,ほぼその試験を捨てるようなものです.

(2)受験生がメチャクチャ臭い
監督者ビビリ度:★★★★
いろんな意味でビビります.
周囲の受験生から「隣の受験生が臭くて試験に集中できない」などの訴えがあるのではないかと緊張が走ります.
どれくらい臭いのか,試験に支障があるほどの臭さなのか,これくらいなら普通の大衆じゃないの? といったことを客観的かつ主観的に判断しなければいけないので大変です.

受験生の中には,もともとの体質なのか,はたまた「センターが終わってから風呂に入ろう」という願掛けなのか知りませんけど,凄い匂いをさせている人がいるんです.
お願いだから風呂に入って受験してください.
トラブルにもなりますので.

(3)ずっと咳き込んでる受験生がいる
監督者ビビリ度:★★★
これもトラブルにつながるのでビビります.
教員間でよく話題になるのですが,センター試験では体調を崩して咳き込んでいる受験生が多く,これが一般入試ではそういった受験生は減って試験場は静かになります.
もちろんセンター試験で体調管理に失敗したからという経験知もあるのでしょうけど,たぶんセンター試験はオープン参加型なのでいろいろな受験生(中には高齢者も)が来るのに対し,一般入試にはきちんと体調管理ができる受験生が来るという違いによるものと考えられます.
がんばって体調管理していても風邪をひいてしまう人もいますが,大抵の場合これは「試験」というイベントへの準備能力の現れだと思うんです.

(4)奇異な行動をとる監督者がいる
監督者ビビリ度:★★★★★
「奇異な行動をとる受験生に注意しましょう」というマニュアルもあるのですけど,それ以上に監督者をビビらせるのは身内です.古今東西,敵は内部にいるもの.
あれだけ言ってるのに携帯電話を持ち込んでくる人や,不要なはずなのに自分のバッグを試験場に持ってくる人がいます.「いつも持ってないと落ち着かないんで」などとヘラヘラ笑ってるんですけど,内職する気満々なんですね.
私の経験上,ババアに多い.
もちろんやらせないので終始不満そうにするんですが,こういうタイプは要注意です.

それより怖いのは,試験説明中に受験生に対し訳の分からない言葉をかけたり,試験中の巡回が受験生の邪魔になっている人です.
座ったら座ったで居眠りを始める始末.
殺意が湧きます.

(5)写真用シールが足りない
監督者ビビリ度:★
どういうわけか,試験場で写真用シールが足りないことがあります.
「写真用シール」ってのがなんなのか分からない人もいましょうが,そういう物があるんです.
たいてい,受験生が写真用シールを間違ったところに貼ってしまい,予備のシールを使ってしまうことにより発生する事態です.
なんでもっと余裕をもって入れておかないのかと思ったりします.

(6)回収した解答用紙の枚数が合わない
監督者ビビリ度:★★★★
きっと大丈夫だと思いつつ,ホントにそうだとしたら致命的失態になるのでビビります.
回収した解答用紙を2人以上で枚数確認(検算)するんですけど,
「はい,こちらは35です」
「えっ? 35ですか?」
「はい」
「36じゃないんですか?」
「えっ,36なんですか?」
「もう一回お願いします」
ってことになって,焦りながら検算するもんだから次もまた違った枚数になってたりします.
「あの・・,34です」
「えっ,36じゃなくて?」
「はい,えっと・・,もう一回」
こうなってくるとビビるどころか,ちょっとしたパニックです.
この時点で指に汗が滲んでくるので,解答用紙を数えるのに丁度いい感じになります.
人間の体は上手く出来ていますね.

(7)受験生がトイレから帰ってこない
監督者ビビリ度:★★
試験場を監督しているこちらにしてみればどうでもいいんですけど,なんだかんだでビビります.
外にいる担当者に「どうしたの,あの子」って聞いてみたところで,「一緒に付き添っている人がいるんですけど,まだ戻ってこないです」と返されるだけですが.

で,そのまま試験時間が終わっちゃった時がありましたね.
どうやら体調不良でトイレから保健室にレベルアップしたらしい.そんな話でした.
試験場で倒れたり嘔吐されるよりマシなので,こちらとしては良かった.
受験生に感謝.


そんなわけで,今年もまた始まるセンター試験.
受験生の皆様の健闘を祈っております.


2018年1月1日月曜日

2018年正月

明けましておめでとうございます.
こちらは今年の我が家からの初日の出です↓

せっかくなので,場所,構図,カメラ,レンズすべて同じもので,昨年の初日の出と比べてみました.
こちらが昨年のもの↓

去年の方が気温が低かったんですね.霜が降りています.

地域によっては曇りや雪で初日の出が見れない場所もあるようですが,私の実家では毎年のように初日の出が拝めています.ありがたいことです.

さて,我が家の正月ネタをいくつかしてみます.

皆様も「門松」をご存知かと思います.
こういうやつです↓
wikipedia「門松」より
高知県には門松にまつわる変わった風習があります.
実は,高知では門松はプリント物なんです.
紙の門松が早くも印刷 12月18日ごろから無料配布(高知新聞2017.11.9)こういうの↓
共和印刷HPより
これを玄関のドアの両サイドに魔除けのごとく貼り付けるんです.
私が子供の頃には県下ではどの家にも貼ってあったので,全国的な正月の風習だと思っていました.
60年前から松の保護を目的として始まったとされ,現在では全国各地にみられるようですが,なかでも最も古いのは高知県の共和印刷が始めた,この「紙の門松」だそうです.

さて,この門松ですが,我が家ではむしろ「紙」でもありません.「生」です.
つまり,「生門松」.庭木をそのまま「門松」ということにしているんですよ.
こういうこと↓
門の前に,「松」「竹」「梅」,それに「南天」と「ユズリハ」を植えています.
上と下の写真では,左から松,竹,梅,その後方に南天とユズリハが見えます.
私が生まれる前までは普通の門松を立てていたそうですが,作るのが面倒だし,買うとバカ高くつくので,いっその事「植えたらいい」ということになって,今に至ります.

この松ですが,樹齢は私の年齢と一緒です.
特に何も手入れせずにずっとこの角っこに生やしていますが,形がいいので我が家では気に入っています.


松と梅の足元に生えているのが竹(ササ).
放っとくと次々と生えてくるので剪定が必要です.


梅も剪定が必要な木ですね.
「桜切るバカ,梅切らぬバカ」という諺があります.よく会社やスポーツチームなどの人事を皮肉る際に用いられます.


ユズリハは,毎年,新しく若葉が出たら,前年の葉が落ちる様子から命名されたそうです.親が子に家を代々譲っていく様を表していることから,正月の縁起物として扱われているんだそうです.


南天は,日本の庭木としては非常にポピュラーな植物です.
ナンテンの音が「難を転ずる」,つまり「ピンチをチャンスに変える」という厄除けの縁起物として,昔から庭木に使われていました.
我が家ではここだけでなく庭のそこらじゅうに生えていて,この時期は鮮やかな深緑に真っ赤な実が成ります.


毎年,「今年でブログをやめようか」と考えながら9年が経ちました.とりあえず2018年も続けようと思います.

今年が皆様にとって良い年になることを祈っております.


2017年12月31日日曜日

例の双眼鏡

正月休みで実家・高知に帰っています.
2017年大晦日の記事は,お盆休み中の記事で紹介した例の双眼鏡について.

「ニコン 12cm 双眼望遠鏡Ⅱ型」
カツオ漁船に取り付けてあったものを,父が譲り受けてきたものです.
こういうやつ↓
無骨なデザイン.
なかなかのデカさで,手に持って見ることはできません.重量は15kgあります.

その時の記事はこちらです.
お盆休み:実家の様子

その後,知り合いの鉄工所の人に相談して三脚に取り付ける器具を作成したとのこと.
今回帰省してみましたら,完成しておりました.
それがこちら↓
15kgの重量があるのでそれなりの三脚が必要なのですが.
その三脚は,これまた知り合いの建設業の人から,使わなくなった測量用の三脚を譲ってもらったそうです.

取り付けるために特注した器具はというと,こんな感じ.
三脚上部に,コの字型にした金具で支えています.


両サイドには双眼鏡を仰俯角ティルトさせる機構が残っていたので,それを活かすための金具も用意しました.
作りは至ってシンプルで,回転する軸を金具で挟むようにしています.
これにより,旋回と仰俯角が自由にとれるようになりました(ようするに,普通の仕様).

見え方も気になりますので,さっそく目の前の山を観察してみます.

普通にiPboneのカメラで撮ったアングルがこちらでですが.
双眼鏡を通すとこうなります↓

小型のものや安物とは比べ物にならないほどの視界です.
さすがデカいだけのことはある.

ちなみに,この双眼鏡を設置しているのは父が手作りした「庵」です.
山を切り分けて小屋を建て,水場や電気を引いています.
全体像はこんな感じ.

こういうのは男の趣味というやつですね.