2013年12月6日金曜日

大学教員になる方法「感想版2」

本学でも,卒業論文の提出に向けた学生たちの焦りっぷりが見えるようになってきました.
そんなわけで,このブログでは
卒論・ゼミ論を1日で書く方法
が,めでたく週間ランキング1位となりました.
(2013年12月6日現在)
まことに残念であります.

さて今回は,前回の記事
大学教員になる方法「感想版」
の続編ということで,もう少し幅広い「感想」を書いていこうかと思います.

【やっぱり教育歴がめちゃくちゃ大事】
以前の記事でもお話したように,大学教員の採用条件には,明文化されていなくとも
「高等教育機関で教鞭をとるにふさわしい『教育歴』がある」
というのは重要な条件になっています.
すべての大学や分野にからんでいることではありませんが,教育歴が無い人は書類審査の時点ではじかれます.

さらに最近,多くの大学で,そしてうちの大学でも話題になっているのが,
非常勤講師の採用条件に『教育歴が十分にあること』を入れるか?どうか?
というものです.
これは前任校でも話題になっていましたが,この業界にいる人で,それも関西人ならばすぐに,
「ちょーちょーちょー!」
ってなる話です.

というのも,特に若手の大学教職希望者は,その「教育歴」をつけるために非常勤講師をやろうとするわけで.
その非常勤講師の採用条件に「教育歴がある」を入れるっていうことは,つまり,
じゃあ,若手の大学教職希望者は,「最初の教育歴」はどうすればいいのよ?
ということを意味するからです.
んまぁ,大学以外の教育歴というわけですから,専門学校の非常勤とか,専門学校の非常勤とか,あとは専門学校の非常勤,そんなところでしょうか.

今のところ,これを実際に採用条件として明文化させて機能させている大学は少ないのですが,それも時間の問題になる可能性はあり得ます.

あと,うちの大学みたいに,明文化してはいなくとも非常勤講師に教育歴を求める大学はあります.
最近の会議とかでも,非常勤講師の選定に際し,
「この人,教育歴がないですよね.セミナーとか講演会の経験だけじゃねぇ...,どうしてもこの人じゃなきゃダメだ,という事態になるまで,別の人を探しましょう」
となります.
内部教員が推しても学科でハネられる,学科で推しても学部でハネられることがありますので,結構シビアなんです.
教育歴が無いのに非常勤講師になれた,というのは多く場合,内部の先生の強力な推薦があったか,その人以外の候補者が見つからなかった,ということです.ほぼこの2つになります.

ところで,この大学教員に求められる「教育歴」ですが,どういったものを指すのでしょう.気になる人もいるかもしれません.
大学教員に求められている「教育歴」というのは,
(1)大学教員(非常勤講師含む)の経験がある
(2)専門学校の教員の経験がある
(3)専門学校の非常勤講師の経験がある
(4)小中高等学校の教員の経験がある
(5)小中高等学校の非常勤講師の経験がある
(6)何かちゃんとしてそうな教育っぽいとこでの指導の経験がある
(7)大学や専門学校の授業補佐(TA:ティーチングアシスタント)の経験がある
というものです.

(1)と(2)は問題なく「教育歴あり」となるでしょう.

よく問題になるのは(6)で,これが大学や学部学科といった組織によって判断が変わってくるところであります.例えば,大きな会社の教育係みたいな部署にいた,とかセミナーや講演会をやっている・やったことがある,とかそんなのです.
うちの大学の学部学科では(6)は教育歴とは認めません.こういう人を採用したい場合,偉い人たちが集まる会議で「なぜこの人物でなければダメなのか」を採用したい側(学科長とか学部長とか)がプレゼンしなければいけないようです.

(3)や(7)についてですが,場合によってはハネる大学があります.うちもそう.でも,たいていの大学ではOKだと思います.うちがちょっとシビア過ぎるきらいがあるだけです.
特に(7)は,履歴書に書けることが多いので,大学院生や大学教員志望の研究者の方はやっておいて損はないものです.
たとえ非常勤講師に「教育歴」を求めるようなことになったとしても,(7)の経験がある場合は優遇される可能性は高いです.だいたい,そういうことのための(7)なんだし.
大学院生を対象としたTA募集をしている大学は多いものです.ちょっとのことですが,見栄えと規定クリアの履歴のためにはマイナスにはなりません.

そして,(4)と(5)については,大学によってはむしろ重要だったりします.いわゆる教員養成大学というのは重要視しますよね.
高等教育機関にふさわしい教育歴というわけではないにしても,「学校教育を知っている立場から,高等教育を見れる」というアピールはマイナスにはなりません(プラスになることも少ないけど).

あと,非常勤講師と言えど「学術的業績」を求める大学もあります
私の先輩の先生は,それで某大学の非常勤講師を切られました.その大学の非常勤講師の採用条件が,その年から「業績」を求めるようになったからです.
そんで,次の年に論文を作成.めでたく再採用の運びとなっています(っていうか,コンスタントに論文書いといてくださいよ!).
そんなこともありますから,ここらへんは注意しといたほうがいいですね.


【悪い噂はどれくらい影響するか】
例えば非常勤講師をしている人がいるとしましょう.
その人に対して,
「態度悪い」「学生から不満が出てる」「事務員の人が快く思っていない」「怪しい噂がある」「契約上のことでトラブルを起こす」
なんていう噂や口コミは,非常勤講師の契約延長や,専任教員への道にどれほど影響するでしょうか.

これは完全に私の知りうる,そして見てきた限りのところだけの話ですが,結構重要です.
非常勤講師の場合ですと,場合によってはあの手この手で解約される可能性があります.っていうか,それ見たことあります.しかも何度か.

大学というのは,できるだけ穏便にことを進めたがるところでもあります.よって,トラブルの芽はつみたい.そう考えるところがあります.

私の後輩で非常勤講師をやっている奴がいるのですが,これは庇いようのない本人の行いの悪さがありまして,その地域の大学に「悪い噂」がたっちゃったのです.
複数の大学から次年度お断りの措置がありました.
今は各大学にいる我々の先輩方が贔屓にして再採用になっているのですけど(本人も反省してますし.というか,やっぱ縦のつながりは強力ですなぁ).

大学の先生って,フリーダムで破天荒なキャラが売りのようにも見えますが,やっぱり限度というものがあります.
ちょっと非常識なところがあっても許される,って思っている人がいるようですが.少なくとも “今の大学” では厳しいです.

「どうしてもその人じゃないとできない」という授業や環境でない限り,簡単にハネられますのでね.ステレオタイプな言い方をすれば,「代わりはいくらでもいるんだよ」というのがリアルなところです(実際,競争率高いんだし).


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