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グローバルとイノベーションを蒸し返す
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蒸し返すように書いていますが,今回はグローバルとイノベーションのことです.
詳しい話は過去記事で散々やっているので,今日は愚痴っぽくなります.
教育関係にご興味のない人は,昨今の大学が「スーパーグローバル大学」に取り組んでいたり,高校が「スーパーサイエンスハイスクール」だけでは飽き足らず,「スーパーグローバルハイスクール」に取り組んでいることもご存知ないかと思います.
なお,これらはいずれも日本の教育界での話です.
ちなみに,最近は「イノベーション」に熱心です.
私たちにとって身近なのは,スーパーグローバル大学です.
ですがこのスーパーグローバル大学,結局のところ尻切れトンボな飛行を続けております.
はっきり言って迷惑なんです.
さて,そんなスーパーグローバル大学も,今年度は中間評価の年.
■スーパーグローバル大学創成支援事業(中間評価概要)(日本学術振興会)
各大学,どんな言い訳を用意してくるのか楽しみですね.
対する評価委員も,どんなお茶の濁し方をするのか注目です.
今回,中身についての細かい話をしたいのではありません.それらについては過去記事をどうぞ.
今日は,そもそもの話.もっと単純な話.
「スーパーグローバル大学」
文部科学省の役人の中に,誰か止める奴はいなかったのか? という話です.
「スーパーグローバル」ですよ.スーパーグローバル.
どこのバカがこんな名称でゴーサインを出したのか? 小一時間問い詰めたい.
明らかにキチガイじみた名称ですが,これは私の感覚でしかありません.
私は英語圏のネイティブではありませんので,本件についてネイティブの人に聞いたことがあります.「スーパーグローバル大学っていう名称,どう思いますか?」って.
同僚の英語圏のネイティブである先生は,「意味不明」と仰られていました.
この違和感について話をしてみますに,じゃあ,この英語の違和感を日本語で表してみたらだったらどんな感じなのか? ということで,いろいろディスカッションした上で出たものがこちら.
文科省版:あなたの英語,ネイティブにはこう聞こえます.
「スーパーグローバル大学 = 大盛り国際教育」
バカですね.シュールかもしれない.
ちなみに,このネイティブ教員はユーモアのセンスが強い人なので,そのへんは差し引く必要はありますが,それでもこんな感じに聞こえることは確からしい.
グローバル(global)にスーパー(super)をつけることの愚かさ.globalをsuperにするってどういうこと? という違和感.
なお,上述した日本学術振興会のサイトで確認できるのですが,そこでは英語表記は「Top Global University Project」になっています.盛大に後付であることが分かります.
私はなにも,政治家や官僚がなにかの拍子に「スーパーグローバル」と一切発言してはいけないと申しているわけではありません.思わず口に出してしまうこともあるでしょう.
私が言いたいのは,事業名称を決定する際に,なぜネイティブチェックや英語が堪能な人の意見を取り入れなかったのか? ということです.どうしてその一手間をかけなかったのか.
私のような者ですら「おかしい」と感じるのです.学力が高い人であれば尚の事,その場で気づいていたのではないでしょうか.
2014年から始まっているこの事業の名称が決まったのは2013年です.それまではまだ仮称でした.
スーパーグローバルにせよ,スーパーサイエンスにせよ,一体どんな政権がこんな名称を決めたんでしょうかね.恥ずかしい話です.
これと似たものに「革新的イノベーション」事業があります.
いえ,冗談ではありませんよ.本当にこういう名称の事業が文部科学省で行われているんです.
■革新的イノベーション創成プログラム(文部科学省)
これもそう.
誰か止める奴はいなかったのか? ということです.
普通の会議ならこうなります.
「じゃあ,“革新的イノベーション” っていうのはどうかな?」
「いやいやいや,バカ過ぎでしょそれ.もっと真剣に考えてくださいよぉ」
だが,そうはならなかった.
案の定,これも2013年から始まったものです.
「革新的イノベーション」ということですので,我が国の文部を司る機関にお勤めなさっている方々の頭の中には,「革新的ではないイノベーション」もしくは「保守的イノベーション」というものがあるようです.
ぜひ教えていただきたいですね.
これについても,上述したネイティブの先生とお酒を飲みながら話したことがあります.
吹き出して笑っていました.
で,やっぱり英語表記は異なります.「Center of Innovation」になっていました.どうせ後付ですね.
革新的イノベーション.
日本語にはこれと似たような言葉が他にもあります.
■チゲ鍋とか■ラム酒,■クーポン券などが代表的です.
小さな子供が,思いつきで似たようなことを口走ることがあります.
「よし行くぞぉ! スーパー・ハイパーキャノン砲,発射ぁ!」
とか言いながら,公園でヒーローごっこしている男の子がいますね.
革新的イノベーションとは,これと一緒です.
でも,これは文部科学省が企画する(たぶん)大事な事業のはずです.
適当な名称を付けられてはたまったものではありません.
けど,革新的イノベーションも「スーパー・ハイパーキャノン砲」と同じようなノリで付けられた名称かもしれません.
きっと,幼い子供のような自由な発想を期待してるのでしょう.
詳しい話は過去記事で散々やっているので,今日は愚痴っぽくなります.
教育関係にご興味のない人は,昨今の大学が「スーパーグローバル大学」に取り組んでいたり,高校が「スーパーサイエンスハイスクール」だけでは飽き足らず,「スーパーグローバルハイスクール」に取り組んでいることもご存知ないかと思います.
なお,これらはいずれも日本の教育界での話です.
ちなみに,最近は「イノベーション」に熱心です.
私たちにとって身近なのは,スーパーグローバル大学です.
ですがこのスーパーグローバル大学,結局のところ尻切れトンボな飛行を続けております.
はっきり言って迷惑なんです.
さて,そんなスーパーグローバル大学も,今年度は中間評価の年.
■スーパーグローバル大学創成支援事業(中間評価概要)(日本学術振興会)
各大学,どんな言い訳を用意してくるのか楽しみですね.
対する評価委員も,どんなお茶の濁し方をするのか注目です.
今回,中身についての細かい話をしたいのではありません.それらについては過去記事をどうぞ.
今日は,そもそもの話.もっと単純な話.
「スーパーグローバル大学」
文部科学省の役人の中に,誰か止める奴はいなかったのか? という話です.
「スーパーグローバル」ですよ.スーパーグローバル.
どこのバカがこんな名称でゴーサインを出したのか? 小一時間問い詰めたい.
明らかにキチガイじみた名称ですが,これは私の感覚でしかありません.
私は英語圏のネイティブではありませんので,本件についてネイティブの人に聞いたことがあります.「スーパーグローバル大学っていう名称,どう思いますか?」って.
同僚の英語圏のネイティブである先生は,「意味不明」と仰られていました.
この違和感について話をしてみますに,じゃあ,この英語の違和感を日本語で表してみたらだったらどんな感じなのか? ということで,いろいろディスカッションした上で出たものがこちら.
文科省版:あなたの英語,ネイティブにはこう聞こえます.
「スーパーグローバル大学 = 大盛り国際教育」
バカですね.シュールかもしれない.
ちなみに,このネイティブ教員はユーモアのセンスが強い人なので,そのへんは差し引く必要はありますが,それでもこんな感じに聞こえることは確からしい.
グローバル(global)にスーパー(super)をつけることの愚かさ.globalをsuperにするってどういうこと? という違和感.
なお,上述した日本学術振興会のサイトで確認できるのですが,そこでは英語表記は「Top Global University Project」になっています.盛大に後付であることが分かります.
私はなにも,政治家や官僚がなにかの拍子に「スーパーグローバル」と一切発言してはいけないと申しているわけではありません.思わず口に出してしまうこともあるでしょう.
私が言いたいのは,事業名称を決定する際に,なぜネイティブチェックや英語が堪能な人の意見を取り入れなかったのか? ということです.どうしてその一手間をかけなかったのか.
私のような者ですら「おかしい」と感じるのです.学力が高い人であれば尚の事,その場で気づいていたのではないでしょうか.
2014年から始まっているこの事業の名称が決まったのは2013年です.それまではまだ仮称でした.
スーパーグローバルにせよ,スーパーサイエンスにせよ,一体どんな政権がこんな名称を決めたんでしょうかね.恥ずかしい話です.
これと似たものに「革新的イノベーション」事業があります.
いえ,冗談ではありませんよ.本当にこういう名称の事業が文部科学省で行われているんです.
■革新的イノベーション創成プログラム(文部科学省)
これもそう.
誰か止める奴はいなかったのか? ということです.
普通の会議ならこうなります.
「じゃあ,“革新的イノベーション” っていうのはどうかな?」
「いやいやいや,バカ過ぎでしょそれ.もっと真剣に考えてくださいよぉ」
だが,そうはならなかった.
案の定,これも2013年から始まったものです.
ぜひ教えていただきたいですね.
これについても,上述したネイティブの先生とお酒を飲みながら話したことがあります.
吹き出して笑っていました.
で,やっぱり英語表記は異なります.「Center of Innovation」になっていました.どうせ後付ですね.
革新的イノベーション.
日本語にはこれと似たような言葉が他にもあります.
■チゲ鍋とか■ラム酒,■クーポン券などが代表的です.
小さな子供が,思いつきで似たようなことを口走ることがあります.
「よし行くぞぉ! スーパー・ハイパーキャノン砲,発射ぁ!」
とか言いながら,公園でヒーローごっこしている男の子がいますね.
革新的イノベーションとは,これと一緒です.
でも,これは文部科学省が企画する(たぶん)大事な事業のはずです.
適当な名称を付けられてはたまったものではありません.
けど,革新的イノベーションも「スーパー・ハイパーキャノン砲」と同じようなノリで付けられた名称かもしれません.
きっと,幼い子供のような自由な発想を期待してるのでしょう.
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