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冷や汗ものの大学入試|ひとまず来年までは大丈夫

でも,2023年から潮目が変わると思いますので注意しましょう


センター,もとい共通テストが終わり,各大学における入試の季節がやってきました.
なかにはもう既に,秋口からずっと入試三昧で,半数以上の入試日程を終えている大学もあることでしょう.
お疲れ様です.

今年はコロナ禍ということもあり,受験者数がどうなるかと心配だった方も多いかと思います.
尤も,大学入試というのはパンデミック程度では影響は受けないものです.
社会が不安定だと思えば,「こんな世の中だから,とりあえず大学に行っておくか」と考えるのが日本人というもの.


ただ,過去記事でも述べてきたように,そうした傾向は徐々に変わってくるでしょう.
「こんな世の中だから,とりあえず大学に・・・」という発想に変化が現れるということです.
その詳細を語るのは面倒なので,知りたい人はこちらの過去記事をどうぞ.

端折って言えば,
「大学に行っても行かなくても,お金を稼げるかどうかとは無関係だ」
という認識が広がってくるでしょう,ということ.
そして,
「我が家の経済力では,大学に行かずに仕事に就いた方が得策なんじゃないのか?」
と考える世帯・保護者が増えてくる可能性が非常に高いことです.

上述した記事のタイトルに「2025年頃に・・」というものがありますが,それはこの新型コロナ騒動によって1〜2年前倒しになったかもしれない,という話をしたこともありましたね.
つまり,早ければ2023年頃から受験者数が激減して大慌てになる大学が急増するでしょう,ということです.

ですから,私の予想としては,ひとまず来年までは大学経営も例年通りのかたちで進むと思われます.
今のうちに,来たる「大学恐慌」のための準備をしておいてください.
まあ,今更ジタバタしても遅いんですけど.


もちろん,こういう話は「現時点の情勢からの推測」でしかありません.
例えば,この新型コロナウイルスが今年からさらに猛威を奮ったりしたら推測は全然変わってくるでしょうし,政府が積極的に財政出動したり所得補償を潤沢に給付するなどしたら,これまた推測は全然変わってきます.


もう今年の受験志願者数がヤバい大学もあることでしょう


ちなみに,この新型コロナ騒動ぐらいのことで「敬遠」されるような大学があるのはたしかです.
(すみません,知ったような口をきいてしまって.でも知ったような口なのでね)

入試課職員や入試委員の先生が,既に今年から大慌てになっていることでしょう.
当然,「やはりこれは,コロナが影響しているのか!」などと分析しているのかもしれませんね.

でも,そんな大学は,過去5〜10年間の自分たちの行いについて,胸に手を当てて思い返してみましょう.
チャラい経営,軽薄な研究,杜撰な教育をやってきたのではありませんか?

この「コロナ禍」は学生募集の大勢にほとんど影響を与えていません.
私の前任校は,都内難関私大ということもあって,東京回避&安全志向で志願者大幅減少を覚悟していたようですが,蓋を開けてみればコロナの影響は軽微.
むしろ,私が所属していた学部・学科では志願者数が増加したそうです.

「コロナ禍が影響していない」というのは言い過ぎだとしても,このコロナ禍によって高校生や保護者,そして高校教師は,「堅実な高等教育を提供している大学」を選ぶ傾向にあるでしょう.
こういう状態を,教育業界では「安全志向」とか「地元志向」などと表現したがります.
まあ,そんなこと言い出して10年近くになりますけどね.
私が大学教員を始めた2010年頃から,ずっとコレを言ってる気がするんですが・・・.
そんでも,このコロナ禍は,そういう志向を際立たせることになるのは事実かと思います.

で,なかでも「安全志向」と言われても何を安全だと思っているのかって言うと,このコロナ禍においては,「堅実な高等教育の提供」なんですよ.
つまり,
「とりあえずココに入学しておけば,たとえコロナ禍があと数年続こうとも,なんらかの形で大学教育を授けてくれるんじゃないのかな」
っていう意味での堅実性.

言い換えれば,
「なんか怪しい宣伝をしてくる大学だけど,とりあえず自分自身が入れる偏差値の大学に入っとけば,あとはなんとかなるんじゃね?」
的な発想で受験・入学を希望してくれる生徒・保護者・進路指導は少なくなっちゃうということです.

そういう学生層をメインターゲットにしてきた大学が,今年は慌てふためいているのです.

もっと言えば,この考え方が2023年以降はさらに強まるでしょう,っていうのが,この記事の前半部分,およびリンク先の記事で述べていることです.


今後,大学業界はさらに混迷を深めていくことでしょう.
大学業界の皆様の健闘を祈ります.


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